サッカー欧州選手権グループC第3節、クロアチア対スペインの一戦は、1‐0でスペインがクロアチアに辛勝した。この結果、勝ち点を7に伸ばしたスペインは首位でグループCを突破。一方、クロアチアは、イタリアがアイルランドに勝利したため、グループリーグ敗退となった。

2‐2の引き分けで両チームが勝ち抜けとなる、微妙な状況でキックオフしたこの試合は、前節と同じメンバーで臨んだスペインがこれまで通りポゼッションで相手を上回る展開で始まった。対するクロアチアは、前線をマンジュキッチのワントップとし、中盤を厚くする布陣でスペインと対峙。中盤の底に入ったヴコイェヴィッチとラキティッチの奮闘もあって、シャビやイニエスタがライン間で前を向いてボールを持つ機会が少ないスペインは、相手の守備ブロックを崩せず、前半を消化不良気味に終える。
後半に入ると、他会場でイタリアがリードしているため、ゴールが必要になったクロアチアが高い位置から積極的にプレスをかけるようになる。スペインは相変わらずボールを支配しながらもリズムを掴むには至らない。すると61分、スペインベンチはフェルナンド・トーレスを下げ、サイドアタッカーのヘスース・ナバスを投入する。これに対し、クロアチアはイェラヴィッチとペリシッチを同時に投入して前線をツートップに変更し、ゴールを奪いに行く。中央にターゲットがなくなったスペインが攻め手を失う一方、クロアチアのカウンターには鋭さが増した。
すると、スペインは73分、シルバに代えセスクを投入。結果的にはこれがスペインにとって吉と出た。88分、スペインはクロアチアが前掛りになった隙を突き、セスクがDFラインの裏へ飛び出したイニエスタへ浮き球のパスと通すと、イニエスタが冷静にGKの位置を確認してパスを出し、走り込んだヘスース・ナバスがこれを無人のゴールに押し込んだ。試合はこのままタイムアップ。スペインが苦しみながらも接戦をものにした。
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