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宮本恒靖の焦点/Focus of the Tsuneyasu MIYAMOTO

元日本代表キャプテン宮元恒靖が世界最高峰のサッカーを分析!

2度のワールドカップを経験し、海外でもプレーした宮元恒靖が、世界トップレベルでの経験を元に独自の視点からリーガ・エスパニョーラを掘り下げる。

第4回 ユーロ開幕目前。メンバー構成や発言から読み取る各国の思惑

6月8日の開幕まで数日と迫ったユーロ。来たる短期決戦に備え各国が最終調整を続ける中、試合結果や発言、戦略と思惑が飛び交う。連覇を狙うスペインの可能性、優勝候補筆頭に挙げられるドイツの現状。開幕直前の戦いから宮本恒靖は何を読み取るのか。そして、ヨーロッパ同様に最終決戦を控えた日本代表へと話は及ぶ。

発信されるメッセージと現状の評価

コンディションが心配されるスペイン代表のピケ

―― 各国の代表メンバーが発表されましたが、予想外の結果はありましたか?

スペインでビジャが外れたことと、イングランドでリオ・ファーディナンドが外れてアレックス・チェンバレンが入ったことが気になっています。

―― スペイン代表に関して、ビジャの負傷やプジョルの欠場をどう見ますか?

ビジャは怪我のコンディションが良くないと思っていたので、外したのも選択肢としては良かったと思います。ただ、スペインの対戦相手は引いて守ってくると思うので、前を走る人間は必要ですよね。
プジョルは今シーズン調子が良かったので、彼がいないことは痛手だと思います。あとは、リーグ終盤試合に出れなかったピケのコンディションも心配です。やっぱり試合勘は必要ですし、試合に出ないとコンディションもすごく落ちると思います。

―― スペインの連覇の可能性はどうでしょう?

あまり高くないと思っています。2002年W杯前のフランスに状況が似ていて、チームは下降線を辿っていると感じます。フランスは1998年W杯で優勝して、2000年もユーロで優勝していましたが、2002年W杯を迎えるにあたりジダンの怪我がありました。あそこまで高齢化はしていないし、フランスのようにジダン一人に頼っている訳でもないですが、スペインもサイクルの終わりに近づきつつあって、ピークではないと感じますね。

「ノープロブレム」と語る、ドイツ代表レーヴ監督

―― 優勝候補に挙げていたドイツが、先日の親善試合でスイスに3‐5で負けました。現状をどう考えますか?

あくまで親善試合ですし、失点シーンからなぜ失点したかも見えるので、練習で修正すれば大丈夫だと思います。5失点はこたえると思いますが、うまくいきすぎるより良い部分もあります。レーヴ監督も「ノープロブレム」とコメントしていました。これはチーム外に対する情報でもありますが、「ブレるなよ」という選手に対するメッセージでもあるので、チームは落ち着いていると思います。

―― 現段階で5失点していても、本大会に突入したら調子が変わるものでしょうか?

変に良い勝ち方をして、本当は問題があるのに何も浮き彫りにされないよりは、明確に問題点が出た方が、改善の意識も生まれると思います。
自分の経験の中では、大会前にチームの調子が悪かったのが2002年で、逆に良かったのが2006年でした。2006年はドイツとの親善試合を2‐2で引き分けて、「いけるのではないか」という空気が生まれました。それが大会直前ならば良かったのですが、10日くらい前だと逆に早すぎで、そこからブラッシュアップする力が足りなかったりするものです。

―― なるほど。では、以前フランスのブラン監督に注目しているとお話しされていましたが、どういう部分が気になりますか?また、その他に最近の動きで気になる国はありますか?

フランスはリベリの調子も上がっているし、ベンゼマのコメントからも自信がうかがえました。落ち着いて調整できていると思いますし、チームが良い状態にあるのが見て取れます。
他は、ポルトガルがマケドニア相手にスコアレスで終わりましたね。ただ、親善試合は本当に親善試合なので、大会直前の試合になれば選手個々の本気度や調子の良さも、より表れてくると思います。

―― イングランドは周囲が何かと騒がしいですが、チームに影響はあるものでしょうか?

ホジソン監督が、ファーディナンドを選ばなかった理由を、“最近のパフォーマンスを見た結果だ”と話していました。これは、ビッグネームを使うのではなく、調子の良い選手を使うというメッセージです。選手は監督の言動を見ているので、チームに良い競争が生まれると思います。どのチームにしても短期間の勝負なので、初戦をどのように戦って波に乗るかが大事だと思います。

上昇と下降の分岐点に立つ日本代表

―― 先日、日本代表がアゼルバイジャンと戦いました。近年の代表の印象を教えて下さい。

局面でのスピード感など、個々がスピードアップしていると感じます。判断力もそうですし、アスリートとしての力も伸びていて、ベースが上がっていると思います。

―― 大きな大会を経験することで成長しているのでしょうか?

昨年、日本代表はカタールで行われたアジアカップで優勝しましたが、ああいった大会期間中に伸びる部分はたくさんあります。チームのサイクルとしては、大きく伸びた部分が大会を終えて少しずつトーンダウンし、W杯の3次予選を迎え、これからもう一度上げていく時期にあると思います。アジア最終予選では、初めの3試合で調子を上に持っていけるか、あるいは横ばいや下降するか決まってくると思います。
最終予選を初めて迎える選手ばかりではないので、お互いの注意を喚起し合うような声も聞こえて来ています。年齢的にも今はとても良くて、本大会を見据えたメンバー構成になっていますよね。この予選の何試合かの中で、出場チャンスを掴む選手も出てくると思います。本大会へ行った時に、彼らが計算できる戦力になるのか、また彼らがチームを引き上げられるのか、今はそういったことが懸かる大切な状況だと思います。

―― 代表チームの調子を維持することは難しいですか?

ずっと一緒にいるわけではないので難しいですね。それでも一緒に戦った中で得た結果は大きな自信になります。その時のメンバーと共有できるイメージはずっと残りますし、チームにもそのイメージが今でも残っていると思います。

―― U‐23日本代表のトゥーロン国際大会はグループリーグ敗退に終わりました。宇佐美選手など海外で揉まれている選手の活躍をどう見ますか?

彼らが結果を出したことで、チームに刺激を与えていると思います。今の選手たちは代表のくくりでも個人としても、海外でのプレー経験が少ないですよね。2試合少なくなってしまったことはマイナスでしたが、海外選手の強い当たりを五輪の2ヶ月前に実感できたことは良かったと思います。

―― 国際経験の有無は大きなポイントでしょうか

実際に出会わないと分からないものですが、プレーの激しさや球際の勢い、ぶつかった時の重みなどが、海外とJリーグでは違うんですよね。例えばスルーパスを出されたサイドバックの選手が、日本の感覚なら問題の無いポジションで対応していても、一つ上のレベルの選手が相手だと前に入られてしまう。それは肌で感じないと分らない部分なので、今の段階で一度ガツンとやられた方が良いと思います。
今後は周囲からも様々な意見が出てくると思いますが、それを受けて落ち込むのではなく、どうすれば良いかを考えて頑張ることができれば、成長に繋がっていくと思います。

ユーロだから見られる、国を懸けたプライドのぶつかりあい

ホスト国のポーランド代表 大会のダークホースとなるか

―― 今回のユーロを見るにあたり、グループリーグで楽しみなカードを教えてください。

ホスト国のポーランドはダークホースとなる可能性もあるので、初戦のポーランドvsギリシャは楽しみです。初戦で大会の審判基準なども決まっていくので、選手目線としてはそういった点も面白さの一つです。
また、初戦で負けたチームが第2戦でどういったリアクションを取るかにも注目しています。たとえ一流選手であっても悪い状況を脱するためにもがきますし、そういった姿はリーグ戦では見られないですよね。

―― 前回大会でオーストリアにいらした際、大会の空気感はいかがでしたか?

外に自分の車を停めていたのですが、試合に負けた国のサポーターの人たちがその車の上で飛び跳ねて、ボコボコにされたことがありましたね(笑)。勝って機嫌の良い人たちはクラクション鳴らしながら走っていきますし、現地では大会期間まっただ中なんだなと感じていました。車は、勘弁してくれと思いましたけどね(笑)

―― サッカーを見始めた方へ、大会の魅力をお聞かせください

普段目にしているサッカーとはスピード感が違いますし、ぶつかり合う激しさやシュート力など、全てにおいて純粋にレベルが高いです。なので、戦術を抜きにしても本当にたくさん見どころがあります。短期間で行われる大きな大会だからこそ、見ることのできる意地や、国を懸けたプライドのぶつかりがとても楽しみです。

宮元恒靖プロフィール

1977年2月7日生まれ 大阪府出身 同志社大学経済学部卒ガンバ大阪ユースから1995年にトップデビュー。
2000年に日本代表初選出を果たすと、2002年FIFAワールドカップではbest16進出、2006年FIFAワールドカップではキャプテンを務めた。2007年にはオーストリアのザルツブルクへ移籍。UEFAチャンピオンズリーグ予備予選にも3試合出場している。2011年12月、惜しまれつつ34歳でピッチを後にした。



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