サッカー欧州選手権、グループB第3節、ポルトガルvsオランダの一戦は、先制されたポルトガルが2‐1で逆転勝利を収めた。この結果、ポルトガルは勝ち点を6に伸ばし、他会場にてドイツがデンマークを下したため、グループ2位でベスト8進出を決めた。一方、前評判の高かったオランダはグループリーグ全敗で大会を後にした。

試合は2点差での勝利が絶対条件だったオランダの攻勢で幕を開けた。フンテラールをトップに据え、その下にスナイデル、ファン・ペルシー、ロッベンが並ぶ攻撃的な布陣でスタートしたオランダは、キックオフからトップギアに入れ、猛然とポルトガルゴールに迫る。この作戦が功を奏するのに時間は要さなかった。11分、この日ファン・ボメルに代わって先発したファン・デル・ファールトがエリア外から絶妙なミドルシュートをゴールに突き刺した。
しかし、先制されたポルトガルは慌てる素振りを見せる事なく、相手の攻撃的な布陣に次第に順応して行く。オランダが前掛りになったことにより空いたスペースを有効に使い、効果的なカウンターから好機を作り始めると、28分、中央へドリブルでカットインしたジョアン・ペレイラが、DFラインを抜け出すクリスティアーノ・ロナウドへスルーパスを合わせ、クリスティアーノ・ロナウドがこれを難なくゴールへと押し込んだ。
その後も、ポルトガルはオランダの攻撃をいなしながら、より多くのチャンスを作り出す。状況を打開したいオランダは67分、DFを一枚削りアフェライを投入し、前線に4人を並べる布陣へと変更するが、結局はこのリスキーな一手が徒となる。74分、ポルトガルは手薄になったオランダの背後をカウンターで急襲し、ナニのドリブルから最後はクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決め試合を決定付けた。
ポルトガルは失点直後の時間帯に、弱点と言われてきたメンタル面を強く保てた事が勝利に繋がった。エースが蘇ったポルトガルは準々決勝でチェコと対戦する。
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