サッカー欧州選手権、グループC第2節、スペインvsアイルランドの一戦は、スペインが4‐0で圧勝し、決勝トーナメント進出に大きく前進した。一方、アイルランドはグループリーグ敗退が決定している。

初戦と同じ変則的なゼロトップか、あるいはノーマルのワントップか。戦前から注目を集めたスペインのスターティングメンバーだったが、ビセンテ・デル・ボスケ監督は後者を選択し、フェルナンド・トーレスをピッチに送り出した。すると、そのフェルナンド・トーレスがいきなりゴールを決め、先発起用に応えた。開始間もない4分、イニエスタのスルーパスを受けたシルバが相手DFに止められると、そのこぼれ球をエリア内で拾ったフェルナンド・トーレスが至近距離からゴールの天井を突き刺すシュートでギヴンを破り、スペインに先制点をもたらすとともに、自らの復活を高らかと告げた。
その後は、前半こそこのフェルナンド・トーレスの1点に抑えられたものの、華麗なボール回しにピッチ上が鮮やかに彩られたキャンバスと化す、典型的なスペインのゲームとなった。ロングボールからシュート、またはセットプレーにつなげたいアイルランドだったが、スペインの自在なボール・ポゼッションを前に、ボールが奪えないまま自陣に封じ込まれ、そのロングボールを放り込むことすらままならない状況で多くの時間を過ごすことを強いられた。試合は後半、49分にシルバが追加点を奪うと、70分にはフェルナンド・トーレスが自身2点目となるゴールで試合を決定付け、83分に右CKからセスクが駄目押し点を奪ってスペイン快勝に花を添えた。
しかし、このスペインの美しいサッカーに負けていないのがアイルランドの愛すべきサポーター軍団だ。雨の中、劣勢に立たされながらも奮闘する我がチームに歌声を送り続ける。アイルランドのグループリーグ敗退を宣告する試合終了のホイッスルが鳴った後も、アイルランドの歌は雨のグダニスクに響いていた。
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