スペインと互角の勝負を演じ、好感触を得て第2節に臨んだイタリアと、アイルランドに完勝し、この試合に勝利する事により逸早く準々決勝進出が決定するクロアチアの一戦は、1‐1のドローに終わった。この結果、勝ち点を4としたクロアチアはスペインと、勝ち点2のイタリアはアイルランドと、次節それぞれ準々決勝進出をかけて対戦する。

初戦と同じく3バックを敷いたイタリアは中盤でイニシアチブを握り、前半はシンプルに前線のバロテッリとカッサーノにボールを集め、少ないパスでシュートまで至る攻撃が目立つ展開となった。対するクロアチアは、フォワード陣のフィジカルを活かすべく左右両サイドからの攻撃に活路を見出すが、攻撃パターンが単調となり、中盤でリズムを作るイタリアに試合のペースを握られる。37分には、イタリアに決定機が訪れる。カッサーノのスルーパスからディフェンスラインを破ったマルキジオがGKと1対1になるが、シュートはGKに阻まれてしまった。しかし、直後の39分、イタリアはペナルティーエリア付近で得たFKをピルロが直接決めて先制する。
後半に入り、クロアチアはマンジュキッチを多少深めの位置に下げ、イェラヴィッチのワントップに布陣を変更し、中盤を厚くする。この采配により、クロアチアは中盤が活性化し、モドリッチとラキティッチを中心に攻撃が流動的になるが、逆にサイド攻撃の頻度が減り危険なエリアでのプレーを増やすには至らない。対するイタリアは、62分にモッタに代えてモントリーヴォを投入。両チームが動きを見せる中、結局はクロアチアのサイド攻撃が実を結ぶことに。72分、左サイドを駆け上がったストリニッチのクロスを逆サイドでマンジュキッチが受け、ポストに当てながらもしっかりとシュートを決めてクロアチアが試合を振り出しに戻す。
この後、一進一退の攻防が続くも、両者追加点を奪えず、ドローのまま試合終了となった。
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