サッカー欧州選手権、準々決勝チェコ対ポルトガルの一戦は、ポルトガルがクリスティアーノ・ロナウドの今大会3点目となるゴールにより、1‐0でチェコを下し、準決勝進出を決めた。ポルトガルは、準決勝でスペインvsフランスの勝者と対戦する。

試合は、高い位置から積極的にプレスをかけ、ラインを高めに保ちながらコンパクトにサッカーをするチェコが主導権を握る、大方の予想とは別の入り方を見せた。対するポルトガルは、中盤のラウール・メイレレスやモウティーニョへボールを収める事ができず、ロングボールが多くなる苦しい展開に。
しかし、ポルトガルを襲ったアクシデントが思わぬ転機となった。フォワードのポスティガが40分に負傷退場すると、交代で入ったウーゴ・アルメイダがポルトガルの攻撃に息吹を吹き込んだ。ウーゴ・アルメイダがセンターでターゲットとなることにより、攻撃の手立てが簡略化され、よりゴールへ直結したプレーが多く見られ始めるようになった。しかし前半は、クリスティアーノ・ロナウドが絶妙なトラップから反転して放ったシュートがポストを弾いた終了間際のシーンにポルトガルのゴールを予感させつつスコアレスで終わった。
後半は開始から、ポルトガルが一気に攻勢を強めた。ラウール・メイレレスとモウティーニョが積極的に高い位置でプレーし始めたため、ファイナル・サードでの流動性が高まり、攻撃に幅が生まれるようになった。チェコは時折ピラジュやイラーチェクを絡めたカウンター攻撃を繰り出すものの、長い時間自陣に押込められる展開が続く。また、前半からテンポを上げた事により、選手に動きの鈍さが目立つようになる。すると、79分、右サイドの攻防を突破したモウティーニョのクロスをゴール前でクリスティアーノ・ロナウドがダイビングヘッドで合わせ試合の均衡を破った。その後、次々と守備的な交代カードを切ったポルトガルは、2大会ぶりとなる準決勝進出を決めて前日のベント監督の誕生日に花を添えた。
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