サッカー欧州選手権グループD第3節、イングランドvsウクライナの一戦は、イングランドが1‐0でウクライナを退けた。勝ち点を7へと伸ばしたイングランドは、フランスがスウェーデンに敗れたため、グループ首位でのベスト8進出となり、準々決勝でイタリアと対戦する。ウクライナはグループリーグ敗退が決定し、これで両ホスト国が大会から姿を消すことに。

勝負の行方を決めたのはエースの復帰とゴールライン上の運だった。
グループリーグ突破には勝利が絶対条件のウクライナは、コンディション不良のシェフチェンコをベンチに置き、ミレフスキーとデヴィッチのツートップをスタメンに揃えた。対するイングランドはエースのルーニーが復帰を果たし、前線でウェルベックとコンビを組む。
試合は、開始間もなく両チームのゲームプランがはっきりとピッチ上に描き出される。ゴールが求められるウクライナは、ヤルモレンコとコノプリャンカの両翼からの攻撃を軸として積極的にゴールを目指す。引き分けで十分のイングランドは、きっちりと守備ブロックを作ってリスクを冒さず、早い段階からゲームを“殺し”にかかる。このため、前半はウクライナが優勢に進めつつも、見せ場のあまり多くない展開となった。
しかし、試合は後半開始直後に動いた。48分、コーナーキックの流れからサイドに張っていたジェラードの上げたクロスがファーサイドへ流れ、これをフリーで待ち構えていたルーニーが難なくヘッドで押し込み、イングランドが思い通りの展開に持ち込んだ。2ゴールが必要となり、更に攻勢を強めたウクライナだったが、この日は判定を味方につける事ができなかった。62分、デヴィッチのシュートがゴールラインを割ったかに見えたが、ライン上でクリアしたテリーを間近で見ていた追加副審はノーゴールのジャッジ。ウクライナはその後のシェフチェンコ投入も実らず、悲願の決勝トーナメント進出は叶わなかった。
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