サッカー欧州選手権、グループD第2節、スウェーデンvsイングランドの一戦は、3‐2でイングランドが競り勝った。この結果、イングランドは勝ち点4でフランスに並び、準々決勝進出に大きく前進。一方のスウェーデンは最終節のフランス戦を残し、大会からの敗退が決まった。

イングランドはこの試合、初戦にウェルベックとヤングのツートップが機能しなかった事を踏まえ、ウェルベックのパートナーとしてキャロルを組ませ、ヤングを本職の左サイドハーフに置く布陣で臨んだ。前線にキャロルと言うターゲットマンができた事により、イングランドは攻撃の形が明確化され、初戦と比べると、中盤にダイナミズムが生じるようになる。そして、このキャロル先発起用が結果を出すのに時間はかからなかった。
23分、クリアボールを右サイドのタッチライン際で拾ったジェラードが早めにクロスを入れると、これにキャロルが反応し、打点の高い豪快なヘディングでネットを揺らした。イングランドはこのリヴァプール・コンビで奪ったゴールを守って前半を終える。
しかし、後半に入ると形勢は一気に逆転する。49分、スウェーデンはフリーキックのこぼれ球からメルベリが放ったシュートがグレン・ジョンソンのオウンゴールを誘い同点とすると、続く59分にはまたしてもメルベリがフリーキックをヘッドで合わせ逆転に成功する。
ここでイングランドのロイ・ホジソン監督がいつになく機敏な反応を見せる。逆転ゴールを許した2分後、攻撃面での貢献度が低いミルナーに代え、快速ウィンガーのウォルコットを投入。結果的に、この交代策が、勝利を呼び込む事になった。ウォルコットは64分、自らの足で同点ゴールを決めると、78分には切れのあるドリブル突破から中央へ折り返しウェルベックの逆転ゴールをお膳立てした。
試合はそのままイングランドが1点差を守りきって終了。ルーニー復帰を前に、イングランドが弾みをつける結果となった。
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