サッカー欧州選手権、準々決勝イタリア対イングランドの一戦は、PK戦の末、イタリアがイングランドを下し、ベスト4最後の一枠へと滑り込んだ。3大会ぶりの準決勝進出となるイタリアは28日、決勝進出をかけてドイツと対戦する。

今大会初の延長戦、そしてPK戦へと決着がもつれた好勝負は、120分を通してピッチに規律とバランスが保たれた。前の試合と同じメンバーを並べたイングランドに対し、3バックか4バックかで注目が集まったイタリアはバランス重視の4バックで試合をスタートした。
デ・ロッシのポスト直撃弾に、ブッフォンが水際で防いだグレン・ジョンソンのシュートなど、試合序盤こそ、出入りの激しい、両チームが主導権を奪い合う展開となったが、初先発のモントリーヴォが機能し始めると、次第にイタリアがポゼッションを高め、試合のペースを掌中に収めた。しかし、ここ3試合ですっかり守備ブロックの組織化が整ったイングランドは、バランスを崩す事なくイタリアの攻撃に対応する。ただし、前線のウェルベックやルーニーまでもが守備の対応に忙殺される時間帯が多かったイングランドは、良い形でカウンターを仕掛けられない。
後半に入ると、60分にイングランドが状況を打開すべく、キャロルとウォルコットを同時投入するが、大勢に影響を与えるまでには至らず、イタリア主導で試合は進んだ。そのイタリアもディアマンティとノチェリーノを連続して投入し、ゴールをこじ開けようと試みるが、集中を切らさずに守るイングランドを攻略しきれず、スコアレスのまま試合は今大会初の延長戦へと突入した。
延長戦に入っても攻めるイタリア、守るイングランドと言う構図は変わらず、両チームが規律を保つ中、とうとうゴールは生まれず決着はPK戦へと委ねられた。
PK戦ではイングランドの3、4人目が連続して失敗し、5人中4人が決めたイタリアが準決勝行きのチケットを手にした。
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