サッカー欧州選手権、準々決勝ドイツvsギリシャの一戦は、ドイツが4‐2でギリシャを下して準決勝進出を決めた。勝ったドイツは、準決勝でイタリアvsイングランドの勝者と対戦する。

優勝候補のドイツと、空気を読まないジャイアントキリングを大得意とするギリシャ。注目の準々決勝第2試合は、立ち上がりに慌てふためくというギリシャの悪癖がいきなり露呈する形で幕を開けた。ドイツはこのギリシャの悪癖に乗じて開始5分までの間に、あわやと言うシーンを3回も作り出すが、ここはギリシャが何とか序盤のピンチを乗り切った。すると、徐々に落ち着き始めたギリシャが、完全に自陣に押し込まれるハーフコートマッチの展開ながら、得意のゲームプランに持ち込む気配を見せる。ドイツはスタメン起用されたシュールレとロイスの両サイドハーフが期待に応え気を吐くが、分厚いギリシャの壁を崩すには至らない。ここで物を言ったのはドイツの総合力の高さだった。39分、僅かに空いたスペースへラームが巧みなボールタッチで飛び込み、そのままミドルシュートを放つと、ボールは鮮やかな放物線を描いてギリシャゴールへと吸い込まれた。試合はこのままドイツの1点リードでハーフタイムを迎えた。
しかし、後半に入り、ギリシャがたったワンチャンスでネットを揺らすお家芸を披露する。55分、自陣からのカウンターを少ないボールタッチでサルピンギディスとサマラスの2人のみでゴールに結びつけ試合を振り出しに戻した。ギリシャはやはり世界を驚かすのか?
今回ばかりは、抜群の完成度を誇るドイツを前に、そんな空気は長持ちしなかった。61分、組織的な攻撃から最後はケディラがフライング16文ボレーでゴールを決めると、セットプレーからクローゼ、速攻からロイスと、怒濤の3連続ゴールでギリシャを突き放した。ギリシャは終了間際にPKで1点返して意地を見せたが、この日のドイツは純粋に相手が悪すぎた。
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