UEFA EURO 2012TM サッカー欧州選手権、グループB第2戦、ドイツvsポルトガルの注目の一戦は、ワントップに起用されたマリオ・ゴメスの後半に決めたゴールを守りきったドイツが1‐0でポルトガルを下した。

試合は開始から、両チームともバランスを崩さずにリスク・マネージメントを優先する方策を取った為、緊張感が漲りながらも、多少躍動感を欠いた展開となった。ボールポゼッションを高めるドイツが、より多くの時間を相手陣内でプレーし、押し気味に試合を進めるものの、ポルトガルの規律正しい守備網を破るには至らない。スコアレスのまま前半終了かと思われた矢先、守勢に回っていたポルトガルにチャンスが生まれる。コーナーキックのこぼれ球を拾ったペペのシュートがクロスバーを直撃し、ボールは真下に跳ね返ってゴールライン上へ落ちたが、完全にラインを超えなかったためゴールは認められず。
後半開始直後こそ、積極的に攻勢に出たドイツに幾つかのチャンスが生まれたが、試合は前半同様こう着状態に。ポゼッションから得点機会を窺うドイツに対し、統制のとれた守備からカウンターでゴールを狙うポルトガルという絵図がピッチ上に描かれる。すると69分、それまで攻撃の最終局面に関われなかったクリスティアーノ・ロナウドがモウティーニョのスルーパスを受け決定機を作りかける。しかしこれはギリギリの所でボアテングに阻止された。この直後、ポルトガルは前線の打開を図りポスティガに代え、オリヴェイラを投入。同時にドイツもゴメスを下げ、クローゼを投入する動きを見せる。
すると、皮肉にも、先制ゴールはこのゴメスから生まれた。72分、ケディラの右サイドからのクロスがモウティーニョに当たり、山なりのボールがファーサイドのゴメスへ。これをゴメスがヘッドでゴール逆サイドへ流し、ドイツが先制に成功。ドイツはその後のポルトガルの猛攻を凌ぎ、1‐0で逃げ切った。
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