死の組に早くも終止符が打たれるのか。大会前から死の組として激戦が予想されたグループBの第1節は、4カ国の明暗がクッキリ分かれる結果となった。ワンチャンスをものにしてその後はしっかりと守り通したデンマークと、1点が遠かったオランダ。拮抗した試合、僅かばかりの精度の差でポルトガルを寄り切ったドイツ。これにより、デンマークvsポルトガル、そしてオランダvsドイツという組み合わせとなるグループB第2節は、デンマークとドイツが勝利すると第3節を残してグループリーグ突破のチケットを手にする2チームが決まる事になる。
ポルトガルにとっては、好ましくない状況で好ましくない相手と出くわす事になった。予選で同組となったポルトガルとデンマークは、お互いを知り尽くしている感がある。全くのイーブンという状況であれば話は別だが、グループリーグ突破へ向け是が非でもゴールが欲しいポルトガルは、試合を通してどこかでリスクを冒さなければならない局面が生じる。対するデンマークは、リスクマネージメントを貫徹しつつ、カウンターの機会を虎視眈々と狙うという、彼らのチームスタイルに最もフィットしたゲームプランを採ればよいのである。ポルトガルは、伝統的にメンタル面の脆さを露呈することがあるだけに、早い段階で先制点を奪えるかどうかがこの試合の鍵となるだろう。
オランダ対ドイツという伝統の一戦をサッカー欧州選手権という舞台で堪能できるのは、ファンにとって大きな喜びである。仮に、この2チームが決勝トーナメントに勝ち上がったとすると、決勝でこの組み合わせが再現する可能性は決して低くない。しかし、そうなるには、先ずオランダがこの試合をしっかりとものにしなければならない。注目はオランダの前線だ。ファン・ペルシーとフンテラールという二枚看板を併用するか否か。後がなくなった“オランイェ”の反撃や如何に。