
2大会連続の決勝進出を目指したドイツ代表だが、天敵であるイタリア代表にまたしても苦杯を舐めさせられてしまった。ヨーロッパ屈指のフットボール大国同士の対戦となった28日の準決勝、ドイツ代表は1‐2でイタリア代表に敗れた。
元イングランド代表のゲーリー・リネカー氏に、「フットボールはシンプルなゲームだ。22人の選手が90分間ボールを追いかけ、最後は必ずドイツ人が勝つ」と称されるなど、歴史的にヨーロッパ屈指の勝負強さを誇ってきたドイツ代表だが、大舞台でのイタリア代表との対戦となると滅法相性が悪い。
事実、ワールドカップおよびユーロの2大大会での直接対決となると今大会まで4分3敗の未勝利と、ドイツ代表はイタリア代表にのまれ続けてきた。そして、延長戦の末に0‐2で敗れた2006年のワールドカップ準決勝からのリベンジを狙った今回も、逆に返り討ちに遭ってしまった。
再び露呈された相性の悪さを前に、かつて主将としてドイツ代表を支えたレバークーゼンのMFミヒャエル・バラックは、イタリア代表への苦手意識を指摘する一方、ヨアヒム・レーヴ監督が採用した攻撃陣のローテーションが裏目に出たとの見解を示した。
「イタリアを前にすると、いつも同じ事が起きる。今のドイツは非常に良いチームだが、直近2〜3試合ではメンバーを変え過ぎた。何人かの選手は、それまで見せていた自信を失ってしまった。好選手を数多く抱えるというのは、贅沢な悩みの種でもある。しかし、全選手に出場機会を与えるというのは解決策とはならない。大会に入って路線を変更したレーヴ監督の決定には疑問が残る」
一方、現主将のDFラームは、敗戦のショックを露にすると共に、失点の場面で見せたプレーの軽さを嘆いた。
「本当に辛い敗戦だ。いかなる黒星も痛いが、大会で上位進出を果たしながら敗れるとなるとダメージはなおさら大きい。僕達はいくつかの軽率なミスを犯し、それをことごとくゴールに結び付けられてしまった。イタリアのようなレベルの高いチーム相手には、ミスは高く付いてしまう。また、後半立ち上がりのチャンスも逸してしまい、試合の流れを変えることができなかった。チームに高いポテンシャルがあっても、勝負所でクレバーなプレーができなければ、試合を落としてしまうということだ」
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