
スペイン代表は27日、ポルトガル代表との準決勝をPK戦の末に制し、史上初の大会連覇に王手をかけた。
120分間を戦い抜いてノーゴールで迎えたPK戦、コイントスで先攻を選んだスペイン代表は、1人目のMFシャビ・アロンソがいきなりGKルイ・パトリシオに止められてしまう。しかし、GKカシージャスがただちにMFモウティーニョを止め返すと、相手4人目のブルーノ・アルヴェスの失敗した直後、5人目のセスクがしっかりと決めてPK戦を制した。
同じくPK戦にもつれ込んだ前回大会のイタリア代表との準々決勝に続き、最終キッカーとして勝負を締めくくったセスクは、再び自身が決着をつける予感がしていたことを告白した。
「自分のプレーは最悪だったが、チームが本当に厳しい戦いを見せた。実は今日の午後になり、試合がPK戦にもつれ込み、自分が5人目で決着をつけるという予感が芽生えたんだ。だからキッカーの順番を決める際、コーチからは2人目と言われたけれども、5人目にして欲しいと頼んだんだ。人生はまたもや僕にチャンスを与えてくれた。本当に信じられない気分だね」
また、カシージャスもセスク同様に、セーブの予感がしていたことを明らかにした。
「PK戦ではナーバスになっていないよう見せるべく心掛けた。これまでも言ってきた通り、PK戦は宝くじのようなものであり、強運が必要とされる。確かに僕らは良い出だしは切れなかったけれども、幸運にも自分には1人目のキッカーを止める予感があった」
一方、4人目のキッカーを務めたDFセルヒオ・ラモスは、3日前の準々決勝でのイタリア代表のMFピルロに続き“パネンカ”(GKが飛んだ瞬間、ゴール正面にチップキックを流し込むPK)を決め、チームに流れを呼び込んだ。2ヶ月前に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦ではPKを失敗した同選手だが、自信を持ってPK戦に臨んだことを説明した。
「CL準決勝の一件があったが、恐怖は一切感じなかった。むしろPKを蹴る気で一杯だった。精神的に安定していたし、絶対の自信を持っていた。ペナルティスポットに着く前から、あの蹴り方で行こうと決めていた。しっかりと責任が果たせて、心に引っ掛かっていた物が取れたよ」
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