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宮本恒靖コラム「リーガに学ぶ」/New angle of Liga Espanola

宮本恒靖コラム「リーガに学ぶ」 元日本代表キャプテンでFIFAマスターを卒業した宮本恒靖がビジネス・マネジメント・マーケティングなどの観点からリーガの新しい見方を提案する。

第一回

ベイルの“移籍金1億ユーロ”を考える

2013年夏の移籍市場最終日、プレミアリーグのスター選手だったガレス・ベイルが、史上最高額と言われる移籍金1億ユーロ(後に9100万ユーロだったことが発覚)でレアル・マドリードへの加入を果たした。

UEFAがファイナンシャル・フェアプレー(※)の導入を決めたことで、各クラブは支出を抑える動きに出ている。この流れの中で世界随一のビッグクラブが実現した超大型移籍は、各方面からの賛否両論を巻き起こした。経営という側面から見た際に、この出来事は宮本の目にどのように映ったのだろうか。欧州移籍ビジネスの現状と課題を考察する。

11月14日更新

■リーガ2強の移籍事情

ベイル

――ベイルの移籍はどのようにご覧になっていましたか?

もちろん、ベイルの選手としての能力に疑いの余地はありませんが、一般的な移籍金額に比べると突出している印象を受けます。いくつかのクラブが手を挙げた事で、つり上がっていったのでしょう。それでも、R・マドリードのペレス会長が「1億ユーロは回収できる」と話していたように、ビジネスとして成り立つ前提があってそのお金を払っているのであれば、経営者の判断としてはあり得ると思います。

ただ、ファイナンシャル・フェアプレー(以下:FFP)の導入によって支出を抑えようとしている動きがある中で、他国のリーグなどと比べると、逆行しているイメージはありました。

――バルセロナとR・マドリードで、移籍に対するスタンスに違いはあるのでしょうか

R・マドリードは今シーズン、イジャラメンディやイスコといったスペインの若手を中心に獲得しました。クラブに育成の意図があるかはわかりませんが、スペインが強くなるためには若い世代の強化が必要なので、他クラブのように外国籍の選手ばかりを獲る流れに比べるととても良い傾向だと思います。

一方、バルセロナはR・マドリードよりも中長期的な視野に立っていると思います。今年獲得したネイマールもまだ若い選手ですし、下部組織からも優れた選手を出し続けています。それでも近年は、FFPの影響もあって移籍市場における両者の傾向が似てきていると感じます。

■FFPの導入、お手本はドイツ

――FIFAマスターの講義の中で、欧州サッカーの財政的な課題はどのように扱われましたか?

ドイツやイングランドをはじめ、授業では各国の現状を学びました。そもそもなぜFFPが導入されたかと言うと、例えばチェルシーでは現オーナーのアブラモビッチが来て資本を投下し、チームの危機を救った。ある時期はそれでいいと思います。ですが、オーナーの本業が傾いてやっぱり辞めた、となってしまったら、チームには何も残らない。お金が一気に入る事でバランスが崩れる事もありますし、サッカーの公平性も失われかねません。

そういった事態を防ぎ、サッカーを守るために導入されたのがFFPです。サッカーはファンのもの、という側面もあります。チェルシーやアーセナルといったビッグクラブが導入を進め、守ろうとしている。その一方で、マンチェスター・シティのオーナーが導入に反対しているといった現状もあります。

――リーグの仕組みを見た際に、最良のお手本はドイツになるのでしょうか?

そうですね、ユベントスなどのチーム関係者もそう話していました。ドイツは収入の割合がチケット収入、スポンサー収入、放映権料、マーチャンダイジングと4等分されています。ですが、プレミアは放映権料が多く、セリエAはマーチャンダイジングが多い傾向にあります。そしてスペインはチームによって放映権料に差があるなど、ドイツ以外のリーグは財政基盤にアンバランスな部分を抱えている状況です。

――スペインでは昨シーズン、オーナーが手を引いたマラガが経営難に陥ったことなど、大きな話題となりました。スペインリーグの現状をどのように見ていますか?

以前FIFAが研究機関に対して「サッカーをテーマにしたプレゼンテーションを行ってください」と、テーマを出したことがありました。そこで表彰されたのがスペインの団体で、“スペインのサッカーはこのままでいいのか?”という内容です。僕もその話を聞いて、「変えていかなくてはいけない」と感じる部分も多かったです。

皆さんもご存じだと思いますが、スペインは国としても、経済が危険な状態にあります。従来ならサッカークラブは財政的に優遇されることもあったのですが、今後はそういった措置の対象外になってきます。経営が成り立たないチームが増えてくると、リーグとしては深刻ですよね。サッカーの発展とファンのためにも、全員でより良いリーグを目指していくことが求められます。WOWOWを観ているリーガファンの方々に、そういった側面も伝えていければ嬉しいです。

■必要とされるのは、“日本のスポーツ”を語れる人材

宮本恒靖

――近年、Jリーグから海外リーグへ移籍金ゼロで出ていくケースが問題視されています。

タダでクラブを出て行かれる流れは良くないですよね。スポンサー企業から出資を続けてもらうことも難しいですし、Jリーグのクラブもプロとして、お金を残してもらう移籍の形にする必要があります。選手を海外で挑戦させる、彼らの夢を叶えてあげたい、という時代は終わったと思います。選手はクラブの資産なので、それを持って行かれた時に何も残らなければ、経営としては間違っていると思います。

――日本における、社会のスポーツへの関心をどのように感じていますか?

高まっていって欲しいですね。選手といった現場レベルではなく、スポーツをマネジメントの面から支える人間が必要とされて欲しいです。海外リーグをビジネスの視点から語る人が増えるのはとても良い事だと思いますが、今後はもっとJリーグや日本のスポーツを語れる人が増えて欲しい。東京オリンピックの開催も決まり、一層注目が集まると思うし、スポーツがビジネス面から強調されるチャンスになると期待しています。

(※)ファイナンシャル・フェアプレー 欧州サッカー界の安定を目指すUEFAが、各クラブに財政の健全化を求めて導入した制度。赤字の限度額などが定められており、基準を満たさないクラブは、チャンピオンズリーグなど、UEFA主催大会への参加資格はく奪といった制裁が科される。なお、個人オーナーによる補填も認めないとされている。

宮本 恒靖 プロフィール

1977年2月7日生まれ 大阪府出身 同志社大学経済学部卒ガンバ大阪ユースから1995年にトップデビュー。2000年に日本代表初選出を果たすと、2002年FIFAワールドカップではbest16進出、2006年FIFAワールドカップではキャプテンを務めた。2007年にはオーストリアのザルツブルクへ移籍。UEFAチャンピオンズリーグ予備予選にも3試合出場している。
2011年12月、惜しまれつつ34歳でピッチを後にした。

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