【木村浩嗣コラム】成績不本意はあの2チームだけ。監督解任の好機到来も、今季は静かな聖夜になりそう

  • 2020/12/18

【木村浩嗣コラム】成績不本意はあの2チームだけ。監督解任の好機到来も、今季は静かな聖夜になりそう

text by 木村浩嗣

クリスマスがやって来た。
スペインでは「○○監督はトゥロン(クリスマスのお菓子)を食べられるか?」「ぶどうを食べられるか?(年が変わった直後に12粒大急ぎで食べると幸運に恵まれる)」が話題になる時期だ。

クリスマスは監督交代の好機である。というのも、前半戦がほぼ終わる節目の時期であり、年末年始の休暇を利用すれば新監督に準備期間を与えられるからだ。昨季はこのタイミングで4人(1部1人、2部3人)のクビが切られている。
が、今季は少々事情が異なる。
今年は開幕が遅れたせいで年末年始にも試合が組まれており、1年前は1週間ちょっとあった休みは今年3日間ほどしかない。日程消化も遅れており、前半戦の区切りもまだ先。むしろ、1月第3週のスーペルコパ用のブランク(11日から19日まで)が交代の狙い目となりそうだ。

今季はそもそも監督交代が少ない。
1部ではセルタのオスカル・ガルシアが解任されただけ。去年の今頃は、開幕からじつに6人のクビがすげ替えられていたから大違いだ。

少なさの理由は、①3日間に1度試合がある過密日程でタイミングがつかみにくいこと、②無観客で観客から大ブーイング、白いハンカチが振られることがないこと、③混戦で、大きく後れをとるチームがないこと、ではないか。
②と③を少し掘り下げたい。

無観客が監督の寿命を延ばす?

②について。
監督交代とは冷静なリサーチや話し合いに基づく決断だろうか? ほとんどがそうではない。
宿敵に敗れる。ホームでみっともない姿を見せる。なんてことで白いハンカチが振られ、「会長辞めろ!」なんてコールが起きる。会長は辞任するつもりはないし、チームを入れ替えるわけにもいかないので、一番代えやすい監督を代える。
前半戦でのチームの不振は、ほぼ夏の補強戦略の失敗による。が、補強にOKを出した会長やスポーツディレクター(SD)が前半戦だけで辞任したり解任されたり、という話を聞かない。まず監督を代える。で、何回も何年も同じ失敗を繰り返してやっと、SDや会長の責任が問われる。
白いハンカチが振られた数時間後には、メディアの激しい批判が待っている。それをかわすために、当日の夜か翌日には解任される。それで考え抜かれた決断のわけがない。

ここ1週間ほどでジネディーヌ・ジダン監督はセビージャとアトレティコ・マドリードに勝ち、CL1位突破を果たして解任の危機を免れたが、もしカディスとアラベス相手に敗れたのが満員のサンティアゴ・ベルナベウだったら、レアル・マドリードのフロントはそこまで我慢できただろうか?
宿敵にホームで敗れた上に、アトレティコ・マドリードやヘタフェ、カディスに敗れた翌週にカンプ・ノウのファンの前へ出て来ないといけないような環境だったら、バルセロナのフロントはロナルド・クーマン監督を支え続けられただろうか?

もちろん、“8万人のファンの前ならあんな無様な試合はしていないはずで、解任の危機自体がなかった”という見方もできるのだが。

大混戦で交代のタイミングがない

③について。
優勝争いの大本命だったレアル・マドリードとバルセロナの勝ち点が伸びないことで、リーガは大混戦となっている。
今日(12月15日)の試合前の段階で、最下位オサスナと3ポイント差で12位のバレンシアまで9チームがひしめいている。例年ならある最下位を独走する降格候補が、今年はない。

1週間前、降格圏に2ポイント差と迫り解任説が出たガイスカ・ガリタノ監督(アスレティック・ビルバオ)は「バルセロナとは1ポイント差で、欧州カップ戦出場圏とは3ポイント差。これで解任かい?」と一蹴した。2連勝と2連敗で大違い、1週間ほどで降格圏と欧州カップ戦出場圏が入れ替わるような混戦では、監督交代にはなかなか踏み切れない。
実際、各チームの戦力と試合内容、順位を比べてみて、力が発揮できていないと思えるチームは2つしかない。取りこぼすはずのない相手に取りこぼしているレアル・マドリードとバルセロナだ。

両チームの戦力からして、“この試合に勝てなければリーグ優勝争いから脱落しかねない”という切羽詰まった状況に、日程の3分の1しか消化していない時点で陥るのは、不本意でしかない。特に、クーマンは例年なら解任されてもおかしくない。昨季のバルベルデは19試合勝ち点40の2位でクビになっているのだから。

ただ、今季に限っては、昨季6月のリーグ再開から例年の半分、1カ月足らずの夏休みを挟んで週2回ペースで試合を続けておりケガ人が続出していること、無観客がパフォーマンスにネガティブに影響していることを考えると情状酌量の余地はある。
サンティアゴ・ベルナベウ、カンプ・ノウという巨大スタジアムをホームとしているゆえに空席とのギャップが大きいのか、ジダンもクーマンも、土俵際まで追い詰められなければ選手のモチベーションが上がらない、という欠点を修正できていない。

photo by getty images
text by 木村浩嗣

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