【木村浩嗣コラム】4位、7位争いを制するのは誰か? 勢いと残り試合から予想する

  • 2019/04/19

text by 木村浩嗣

第32節を終了し残り6試合。各チームの目標がはっきりしてきた。最後までもつれ込みそうなのが、CL出場権の最終枠である4位争いとEL出場権の最終枠である7位争い、そして残留争いだ。今回はこの中で欧州カップ戦の出場権を懸けた2つの争いを予想してみよう(以下、勝ち点や順位は第32節終了時点のもの)。

最も強さを感じるのはバレンシア

まず4位争いだ。候補は4位セビージャ(勝ち点52)、5位ヘタフェ(同51)、6位バレンシア(同49)に絞られた。 この中で最も強さを感じさせるのがバレンシアだ。絶好調パレホに率いられた攻撃は大黒柱ロドリゴに加えて、ガメイロとサンティ・ミナが調子を上げ、ゲデスにもスピードが戻ってきた。中盤から後ろに負傷者が多いものの守備に綻びはなく攻守のバランスは3チームの中で一番。ただし勝ち点が一番少ない上にELにも参戦中で週2試合のペースを維持しないといけないのがハンディで、大詰めで息切れする懸念がある。

プレー面ではセビージャとヘタフェは似ている。ボールの後ろに人数を掛けて守備を固め、攻撃は前のタレント(セビージャはベン・イェデル、アンドレ・シルヴァまたは調子を上げてきたムニルと代表入りの声もあるサラビア。ヘタフェは何といっても強力なハイメ・マタ、ホルヘ・モリーナ、アンヘル)に依存気味。この3チームはいずれもカウンターチームでシステムも[4-4-2]と同じなのだが、不確実なロングボール頼りのセビージャとヘタフェに対し、攻守の切り替えが速いバレンシアは下から中から崩せるパスワークもある。 リーガでの直近6試合の成績をみると5勝1敗のセビージャが一番だが、その唯一の敗戦が4勝1分1敗のバレンシアである。一方ヘタフェは2勝3分1敗とペースが落ちてきた。

そのヘタフェは残り試合も一番厳しい。次節セビージャとの直接対決に加え、レアル・マドリード、バルセロナとの対戦も残している。セビージャとバレンシアの対戦相手を見るとアトレティコ・マドリードが最も難敵でEL出場権争いに絡むチーム(それぞれアスレティック・ビルバオとベティス)との対戦が1つずつというところまでは共通。だが、ヘタフェと星の潰し合いをしなければならないセビージャに比べると、残留争いをするチームとの対戦が1つ多いとはいえバレンシアの方が難易度は低いと言える。

以上を総合的に考えると、セビージャが本命で、僅差で対抗がバレンシアで、穴がヘタフェ。ヘタフェがクラブ創立以来初の快挙を達成するには、第33節のセビージャとの直接対決に勝利することが必須となるだろう。

原点回帰のアスレティックが7位争いの本命

EL出場権が現時点で保証されている5位と6位には、4位争いに敗れた2チームが入るだろうから、問題は7位がどこになるか、だ。7位のチームがELに出場できるかは、バレンシアのリーグ順位と参戦中のコパ・デル・レイとELでの成績次第だが、ほぼ確実と言っていい。というのも、7位のチームがELに出場できないのはバレンシアが7位以下になりコパ・デル・レイやELで優勝した場合という、あまりありそうもないケースだけだからだ。 7位の座を争うのは、7位アスレティック・ビルバオ(勝ち点46)、8位アラベス(同45)、9位ベティス(同43)だろう。予想を先に紹介すると、大本命がアスレティック・ビルバオ、対抗は不在で、アラベスとベティスが穴。上り坂のアスレティック、下り坂のアラベスとベティスと明暗がはっきりわかれている。直近6試合でアスレティックの4勝1分1敗に対し、アラベスは1勝2分3敗、ベティスは2勝1分3敗なのだ。

12月にガイスカ・ガリタノ監督が途中就任してからのビルバオは、10勝5分3敗の快進撃で降格圏の18位から現在の7位まで一気に順位を上げてきた。3バックだった前監督時代からビルバオの伝統な[4-2-3-1]に戻し、ウィリアムズを1トップ、トップ下にラウール・ガルシア、右サイドにムニアインを固定。ハイプレスでボールを奪ってロングボールを使って相手陣内になだれ込むという、これまた伝統的なキック&ラッシュに回帰したことが功を奏した。残り試合ではレアル・マドリード戦、アラベス戦、セビージャ戦が難関だろうが、目標を喪失した相手との2試合(レアル・マドリードはタイトル争いから脱落済み、アラベスは残留達成済み)は、いつもの緊張感ではないだろうし、セビージャとの最終節は“引き分けで両者目標達成”という展開になっているかもしれない。

第28節ウエスカを破って勝ち点44を獲得、降格の心配がなくなってからのアラベスは、その後4試合で2得点9失点とやはり気が緩んでしまった。第30節セビージャ戦は「CL出場権を懸けた一戦」という触れ込みだったものの、枠内シュート1本で手も足も出ず完敗。今季最悪のプレーぶりを見て、一度切れた緊張の糸はもう戻らないと感じた。常にベストメンバーで戦わざるを得ない大健闘チームが、選手層の薄さゆえに終盤失速することはよくある。出ずっぱりのカジェリ、ジョニー、ピナ、ラグアルディアというセンターラインはもう休養させてもいいくらいだ。残り試合を見ても、バルセロナ、アスレティック、バレンシアと当たる点でも不利である。

ベティスもマンディ、マルク・バルトラ、ウィリアム・カルバーリョ、カナーレス、ロ・セルソ辺りは明らかに疲れている。チーム全体も2月のコパ・デル・レイ、バレンシア戦がピークだった。GKからもボールを繋いでくるリスキーなスタイルゆえに、疲労で技術の精度が下がると即失点に結び付く。第32節セビージャとのダービーマッチ(3-2でセビージャ勝利)は、実は内容ではベティスが上回っていた。だが、FWに決定力がなくチャンスを外し続けているうちにボールロストからカウンターを喰らって立て続けに失点。内容の良さを結果に反映できない、このチームのシーズンを通しての弱点が改めて露呈した試合だった。

キケ・セティエン監督を取り巻く空気も悪化している。名門であるゆえに上を目指し続けるだろうアスレティック、弛緩しながらもお祭りムードのアラベスとは、このホームスタジアムの雰囲気という点でもベティスは逆風だ。残り試合を見れば、6試合中2試合が目標喪失チーム(エスパニョール、エイバル)との対戦と実は一番有利なのだが、そのメリットを生かせそうにない。

文:木村浩嗣

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