【北澤豪のリーガ見聞録|第3回】柴崎はホセ・ボルダラス監督の、乾はカナーレスの信頼を取り戻したい

  • 2018/11/25

——現在、上位は混戦状態になっていますが、今後のバルセロナ、レアル・マドリードに期待することは?


いまは上が詰まっていて、下位チームとの勝点差がほとんどないような状況だけど、そっちがその気ならこっちもといった具合に、さらに進化を遂げて、その上を行ってもらいたいよね。そして、この危機的な状況を乗り越えてほしい。それがサッカーの仕組みというか、時代の流れだから。

いまは下位チームが分析力を増したことで戦略的に抑え込まれているけど、そんな相手をさらに攻略してこそ、R・マドリードでありバルサだと思うんだよね。

いまは「分析の時代」。ロシア・ワールドカップの日本代表もそうだったけど、分析力の高さで実力差のある相手にも勝てたりする。ただ守るだけでなく、時には自分たちの長所を活かしながらね。

分析力で上回るのがまず第一なんだけど、その分析結果を監督が戦略の中に落とし込んで、それを選手が正しく理解し、実行に移す。それが現代のサッカー。もちろん、フィジカルも必要だし、アスリート能力だって高ければ高いほどいいけど、そこに理解力だったり実行力だったりが乗っかってこないと、チームとしてはなかなか勝てないよね。

——ふたりの日本人選手はいかがでしょう?


柴崎はヘタフェで「戦力外」に近い状況が続いているよね。日本人的に言えば、「柴崎の良さに気づかないボルダラス監督」って感じになるのかもしれないけど、監督やコーチは、シーズンを通してどうやって勝点を取りにいくかを、つねに考えている。異国のファンに喜んでもらえる試合をするより、1部に勝ち残ること。目標は明確なんだよね。

その手段として、ボルダラス監督は守備的なスタイルを選択し、そしてきちんと結果が出ている。だから、選手たちもストレスを感じることなく指揮官のサッカーに没頭できているんだよね。

柴崎もヘタフェにいる限り、そのやり方に順応しなければいけない。だって、もし自分が監督だとして、こちらが要求していることを理解してくれなかったら、その選手は戦力外にするしかないでしょ?どんなに上手くても。10番を背負っていても。

昨シーズンなんかは、柴﨑もヘタフェで試合に出るために必死にハードワークしていたし、だからこそ日本代表の試合で帰国したときは、海外組のだれよりも逞しさを感じたものだった。だけど、ロシア・ワールドカップで改めてパサーとして高い評価を得たことで、彼の中で自分の目指すものが少し変化したのかもしれない。監督の要求に対しても自分の考えとちょっと違うなって感じている部分があるのかもしれない。

「もっと自分は司令塔としてやれる」ってそういうふうに思っているのかもしれないけど、それはそれで、たとえ自分が望まないスタイルの中でもやるときってあると思うんだよ。ヘタフェにいるなら、ヘタフェというチームを機能させるためにハードワークしなければならない。じゃないと、試合をしない時期がずっと続いていくだけで、それは絶対にプラスではないんだ。納得できなくても理解してやっていく。それがサッカーだからね。

——北澤さんから見て、柴崎選手がフィットしそうなチームはどこですか?


監督のサッカーを理解できるなら、ヘタフェでも十分やっていけるはずだけど、タイプ的には乾がプレーしているベティスとかなのかな?あとはエスパニョールもいいかもね。あそこは、ヘタフェと同じく守備力に定評のあるチームだけど、彼らはただ守っているだけじゃなくて、中盤には10番のダルデールとかグラネロとかメレンドといった上手い選手が揃っている。柴崎ならそこに食い込めるんじゃないかな。

——乾選手がチーム内で存在感を高めるにはどうすればいいでしょう?


まずは、カナーレスと仲良くすることだね(笑)。だって、絶対にカナーレスからパスが出てこないでしょ?もはや、カナーレスの信頼を勝ち取るしかないよ。たぶんカナーレスの中で、大事な場面で乾にパスを出したけど、あとで出さなければよかったって後悔したシーンが、何度かあったんだと思うんだ。

ミスを繰り返されるくらいなら自分でやったほうがマシだ…とか、他の選手にパスを出したほうが…っていうのはイヤな話かもしれないけど、プロの世界ではよくあること。活躍したいなら、監督やチームメイトからの信頼を得ることは絶対不可欠だから。乾はここが頑張りどころじゃないかな。

——後半戦で注目したい若手はいますか?


セルタのブライス・メンデス(21歳)かな。スペイン代表にも選ばれていたけど、彼はレフティーで技術レベルがものすごく高くて、視野の広さも抜群だね。目線の先にあるスペースがどんな状況かをつねに把握できているから、右サイドでプレーしながら逆サイドにあるビッグチャンスを見逃すことなく、そこに正確なロングパスを送り込めるんだ。ポジションはアタッカーだけど、あの「先を見て手前を作っていく」という感覚は、シャビ・アロンソに少し似ているかもね。

セルタにはソフィアン・ブファル(25歳)っていうイキのいいアタッカーもいるし、バジャドリードのトニ・ビジャ(23歳)やダニエーレ・ヴェルデ(22歳)も、さらなる活躍が楽しみ。あと、レアル・ソシエダの前線を構成するミケル・オヤルサバル(21歳)、アドナン・ヤヌザイ(23歳)、フアンミ(25歳)といったあたりも、さらなる飛躍に期待したいね。

写真 (C)SOCCER DIGEST、getty images
取材・文:竹田忍(サッカーダイジェストWeb編集部



北澤豪 北澤豪
元日本代表MF。ヴェルディの黄金時代を支えた一人。日本サッカー協会理事、日本障がい者サッカー連盟会長を務める。
<選手経歴>本田技研→読売クラブ→ヴェルディ川崎→東京ヴェルディ(2002年引退)
<日本代表歴>58試合出場3得点

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