
忘れられない午前2時26分の興奮
錦織選手が初めてグランドスラムでベスト8進出を果たした2012全豪。その最中、現地にいたテニス班チーフから電話があり、「異動になった。次は平林が担当だから。2月にはデビスカップ日本戦の中継があるから、身体を空けておいて」と言われて出向いた兵庫県・三木市のブルボンビーンズドームは激寒。あの寒さは決して忘れないと思います。
そこから始まったテニス班の業務。何だかんだ2018年頃まで携わっていましたが、やはり忘れられないのは日本中が熱狂した2014年の全米です。錦織選手がラオニッチ、ワウリンカ、ジョコビッチなどの強豪を次々と撃破し、日本人初のグランドスラム決勝進出を果たした歴史的大会。個人的に印象に残っているのは4回戦のラオニッチ戦です。試合時間は4時間19分に渡り、現地は午前2時26分になっていましたが、日本は午後3時26分。多くの方が普通に活動している時間です。この現地の興奮をどうしてもWOWOWのお客様にお伝えしたくて、現地スタジオからの中継を続けました。宿泊するホテルに戻った時にはもう朝になっていましたが、出演者とスタッフの皆様が快く対応してくれたことが何より嬉しかったですね。
ハードで過酷な男子テニス界で日本人が戦っていくこと、簡単ではないとずっと感じていました。そこを切り開いてくれたのが錦織選手です。錦織選手がテニスの楽しさや魅力を自分自身に教えてくれました。本当に感謝しています。引退されるのは少し残念ですが、これからも錦織選手にはテニスに関わり続けて、テニスの素晴らしさを伝えっていってほしいですね。

2014年全米オープン現地のトーナメントボード。中央には錦織の名が


