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【コラム #5】「グラミーの魔法」

すでにロサンゼルスはグラミーウィークに入り、方々で音楽関係者たちによるパーティーやイベントが行なわれている。そして(この原稿を書いている時点で)大部分のパフォーマー、さらにはプレゼンターも発表となり、いよいよ授賞式の内容も九割方が見えてきた。堂々オープニング・パフォーマンスを飾るカミラ・カベロを中心とするラテン圏のスーパースターたち、レッド・ホット・チリ・ペッパーズとポスト・マローンのコラボレーション、音楽界の至宝にして生きる伝説ダイアナ・ロス、そしてドリー・パートンのステージ、ゴスペルやR&B界きっての実力派女性3人、ヨランダ・アダムス、アンドラ・デイ、ファンテイジアによるアレサ・フランクリン・トリビュート。そして、レディー・ガガやブランディ・カーライルなどノミニーたちのパフォーマンスほか今回も実に懐の深いグラミーだからこそ成し得る、まさしく一夜限りの祭典となりそうだ。その一方で今回ノミニーでもあるアリアナ・グランデが授賞式でのパフォーマンスをオファーされながらも、その内容に納得がいかないとの理由から授賞式自体を欠席すると発表、大きな話題を呼んでいる。(その他、ケンドリック・ラマー、ドレイク、チャイルディッシュ・ガンビーノがHIP HOPに対するグラミーの見解に異を唱え、パフォーマンスを断ったとも報じられた)先に授賞式の“九割方が見えてきた”とお伝えしたが、このように開催間近になるとグラミー側からはもちろん、多くのメディアがグラミーにまつわる様々なニュース(ネタ)を発信する。その真相はともかく、それらが授賞式に及ぼす影響も少なからずあるだろう。ゆえに授賞式の進行や内容が事前に変更されることは度々起こり得るのだ。先のニュースに付随するが、例えばレコーディング・アカデミーが出演をオフォーしているアーティストやビッグネームが授賞式前日に出演を了承した場合、決められた放送時間枠のなかでその演出を実現するには予定していた何かを変更せざるを得ないわけだ。これはまだ良い例としよう。長きに渡りWOWOWグラミー賞の生中継に携わらせて頂いているが、現地で体験した忘れることのできないハプニングが2回ある。ひとつは今から10年前09年の第51回グラミー賞。授賞式前日(正確には当日早朝)リアーナが当時交際していたクリス・ブラウンから暴行を受けて、これが大事件に発展。2人ともに予定されていた授賞式でのパフォーマンスがキャンセルになってしまった。その穴を埋めたのがソウル/R&Bレジェンドのアル・グリーン。バックに使えたのはキース・アーバン、ジャスティン・ティンバーレイク、ボーイズⅡメンなど。この時ノミニーだったアル・グリーンは会場には来ていたもののパフォーマンスする予定はなく、ましてやリハーサルもほとんど出来ていない状況にも関わらずグラミーの舞台で見事に代表曲「Let’s Stay Together」を先の面々と披露した。二度目は世界中に衝撃を与えた12年の第54回グラミー賞。授賞式当日、その前夜に亡くなったホイットニー・ヒューストンの訃報に生中継の準備に追われていた我々も耳を疑った。この緊急事態にグラミーはどう対応するのだろう、誰が彼女をトリビュートするのだろう、様々な情報が錯綜した。結果、そのあまりも重過ぎる大役を担ったのはジェニファー・ハドソン。そんな状況を受けてグラミーの舞台に立った彼女の気持ちを推し量ることは出来ないが見事に歌いきった「I Will Always Love You」は、ホイットニー・ヒューストンの偉大なる功績と悲しい現実を強く実感させるものだった。
グラミー賞授賞式、そのステージにはアーティストが自らの限界を超える事のできる計り知れない大きな力が潜んでいる、それは“グラミーの魔法”かもしれない。世界最高峰の音楽賞のノミニーとなった栄誉あるアーティスト達、そして世界最高峰のステージに立つアーティスト達にどんな“グラミーの魔法”がかかるのか、一瞬たりとも見逃すわけにはいかない。

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