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【コラム #4】「司会者の変遷とアリシア・キーズ」

授賞式がグラミーの名を冠し初めて全米ネットワークのテレビでライヴ中継されたのが1971年3月16日、13回目を迎えるグラミー賞だった。70年代という新たな時代へ突入したアメリカとそれに呼応する音楽人を讃えるとともに、グラミーが初めてエンターテインメント性や視聴者を強く意識した授賞式といわれている。(それ以前もテレビ局の特番として授賞式の模様は放送されているが、番組タイトルは『The Best on Record』)60年代のグラミーは急速に変化していく時代の流れや新たな音楽スタイルを柔軟に受け入れることが出来ない権威主義に基づいた保守的な音楽賞という印象が拭えないが、そこに一石を投じたのが授賞式のテレビ生中継。多様化していく音楽の魅力を視覚的に捉え、より身近なものへと導いた13回目の授賞式はグラミーの歴史においてエポックメイキングな出来事であった。そして、その司会を務めたのがアンディ・ウィリアムスだ。60年代に多くのヒット曲を放ち、自身がホストを担当するテレビのバラエティ・ショウでも高い人気を博したウィリアムスは当時お茶の間の大スター。彼は77年第19回授賞式まで司会を務めたが、そんなウィリアムスのホストとしての巧みなスキルこそ以降グラミーの注目度を高め、ある意味授賞式をエンターテインメント・ショウとして演出する礎となったのではないだろうか。グラミーはその後も時代に合致した人選を司会に配し授賞式はさらに華々しい演出を増していくことになる。これまで複数回に渡り司会を務めた主なホストはジョン・デンバー(カントリー・シンガー)、ビリー・クリスタル(俳優/コメディアン)、ギャリー・シャンドリング(コメディアン)、LLクールJ(ラッパー/俳優)、記憶に新しいところで一昨年、昨年を担当したジェームズ・コーデン(英国人コメディアン/俳優)など60年に及ぶ授賞式の舞台を仕切ってきたのは圧倒的にその時々に話題を振り撒いた男性有名人だったが「多様性(Diversity)」の重要視がポイントとなる今回のグラミーで授賞式の司会を任されたのはアリシア・キーズ。女性ホストではウーピー・ゴールドバーグ(女優)、エレン・デジェネレス(コメディアン/TV司会者)、ロージー・オドネル(コメディアン/TV司会者)クイーン・ラティファ(シンガー/女優)に次ぐ5人目、ラティファ以来14年ぶりの大役となる。私事だが初めてグラミーを生で体感したのが“アリシア・ナイト”となった02年第44回の授賞式。21歳の瑞々しく美しい彼女のパフォーマンスは素晴らしく、未知なる可能性を期待させたことを今も覚えている。その年、彼女は「最優秀新人賞」「年間最優秀楽曲」をはじめ5つの賞を手中に収めた。あれから17年、いまや15の受賞と29のノミネーションをグラミーから授与され、押しも押されもせぬアメリカを代表する女性アーティストの地位を確立した。それと同時に妻となり母親となり環境も変化した彼女は近年“脱メイク宣言”をして賛否を呼んでいる。“自分らしさ”(着飾ったりメイクをしたり女性が世の中の決めつけによって洗脳されすぎている事への反発)の表現らしいが、これも「多様性(Diversity)」の一環と取れなくもない。様々な変革を掲げたグラミー晴れの舞台ではたしてどんなトークを繰り広げてくれるのだろう、またパフォーマンスにも期待したいところだ。アリシア・キーズの大役、しかと見届けたい。

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