新着番組
連続ドラマW 1972 渚の螢火
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10/19(日)放送・配信
毎週日曜午後10:00
※第1話無料放送(全5話)

1972年、本土復帰目前、混沌とした沖縄で繰り広げられるクライムサスペンス!
琉球警察×地元ギャング×アメリカ、100万ドル強奪事件の裏に隠された真相とは——。
舞台は1972年、沖縄。本土復帰が目前に迫った中、現金を輸送していた銀行の車両が何者かに襲撃され、100万ドルが強奪される事件が発生する。当時沖縄では復帰に際し円ドル交換(米占領下ではドルを使用していたが、復帰に伴い円への交換が必要だった)が琉球政府の重要事業と位置付けられており、琉球警察はこの件が日本政府やアメリカ政府に知られると、重大な外交問題に発展しかねないと、これを秘密裏に解決する特別対策室を編成。復帰までの期限は18日。彼らは事件解決に奔走するが……。2021年に「インビジブル」で第23回大藪春彦賞を受賞、第164回直木賞候補にもなり注目を集めた坂上泉の小説をもとにしたクライムサスペンス。
捜査に当たる特別対策室の班長・真栄田太一を演じるのは高橋一生。真栄田は石垣島出身、さらに東京の大学に進学し琉球警察に入署したエリート。沖縄の出身でありながら地元の署員からは「ないちゃー(本土の人間)」と揶揄され、真栄田は自分が何者なのかアイデンティティを問い続ける。本作で高橋は、連続ドラマW作品で初主演を飾る。監督は、『愛を乞うひと』(98)、『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(19)の平山秀幸。高橋とは『よい子と遊ぼう』(94)、「連続ドラマW ヒトリシズカ」(12)以来、3度目のタッグとなる。
【登場人物紹介】
●真栄田太一(まえだ・たいち)/高橋一生
琉球警察・刑事。八重山諸島・石垣島出身。東京の大学に進学した後、当時珍しかった大卒として琉球警察に入署したエリート。警視庁の派遣の後、琉球警察に戻ってきたところ、特別対策室の班長に任命される。東京にいたことや、見た目から周りからは内地の人間と揶揄される。自分が何者なのか、常にアイデンティティを問い続けている。
●与那覇清徳(よなは・せいとく)/青木崇高
琉球警察・刑事。真栄田とは高校の同級生。沖縄を出て東京に行っていた真栄田のことをよく思っておらず、嫌悪を剥き出しにする。玉城に声を掛けられ、対策室に入ることになる。叩き上げの刑事で独自で培った捜査ルートを持っている。
●玉城泰栄(たましろ・たいえい)/小林薫
琉球警察・刑事。定年を控えたベテランで鑑識など署内にも顔が利く。情に厚く、誰からも慕われる。真栄田とは付き合いが長く、真栄田が若いころは玉城の妻に食べさせてもらっていたことも。
●川平朝雄(かびら・ちょうゆう)/沢村一樹
川平興業社長。沖縄政財界に太いパイプがある沖縄の実業家。戦後の沖縄で事業を成功させ、政財界にも影響力を持つようになる。成功の影には、戦後、米軍から物資を略奪する、いわゆる“戦果アギヤー”だったという噂もある。
●ジャック・シンスケ・イケザワ/城田優
日系二世。ベトナム戦争で負傷し、沖縄のCID(アメリカ陸軍犯罪捜査局)に配属される。真栄田ら特別対策室に協力し、事件解決に尽力する。
●新里愛子(しんざと・あいこ)/清島千楓
琉球警察・事務職員。刑事志望だが琉球警察に婦警採用がなく、会計課で事務をしていたところ、玉城から対策室にスカウトされる。聞き込み相手の嘘を見抜くなど、刑事としての素質を持っている。
●宮里武男(みやざと・たけお)/嘉島陸
戦争孤児で不良グループのリーダー。コザの裏路地で米兵狩りに興じるうちに宮里一派と呼ばれるギャング団を結成する。100万ドル強奪事件の重要被疑者として名前が挙がり、真栄田たち対策室に追われる。
●比嘉雄二(ひが・ゆうじ)/広田亮平
石川南署捜査課の若手刑事で、何も知らされず対策室に突如配属される。不良上がりで入署する前は与那覇にやっかいになっていた。
●稲嶺コウジ(いなみね・こうじ)/佐久本宝
宮里ギャングの一人。敗戦直後の同じ時期に宮里と同じ孤児院にいた。グループのムードメーカー的存在でスリと鍵破りに長けた、根っからの盗人。三線を得意とする。
●座間味喜福(ざまみ・きふく)/藤木志ぃさー
琉球警察・本部長。戦前から警察に奉職する生き字引。最後の琉球警察本部長であり、のちに初代沖縄県警本部長に就任。現金強奪事件の捜査を真栄田らに託す。
●喜屋武幸勇(きゃん・こうゆう)/ベンガル
琉球警察・刑事部長。座間味本部長の下で戦後、あらゆる刑事事件を捜査してきた。本土復帰前後に想定される問題に関して、各島の警察署と対策しようと躍起になる。
迫り来るタイムリミットと予測不能な展開。強奪事件は地元ギャングの犯行と目されたが、その背後にはアメリカ政府の思惑が見え隠れする。琉球警察、最後の任務。沖縄の未来を懸けた戦いが始まる——。
<ストーリー>
1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。円ドル交換が完全な形で遂行できなければ日米外交紛争に発展しかねないと、琉球警察はこれを秘密裏に解決する特別対策室を編成した。班長に任命されたのは警視庁派遣から沖縄に戻ってきた真栄田(高橋一生)。そのほか、同級生でありながら真栄田をライバル視する捜査一課班長・与那覇(青木崇高)、そして定年を控えたベテランの玉城(小林薫)をはじめとするたった5人のメンバー。事件解決のタイムリミットは本土復帰までの18日間。捜査を進めるうちに、事態は沖縄財界や地元ギャング、さらには米軍関係者を巻き込み、二転三転していく……。真栄田らは期限までに100万ドルを取り戻し、犯人を捕らえることができるのか——。沖縄の未来を懸けた戦いが始まる!
関連情報
出演:高橋一生
青木崇高 城田優
清島千楓 嘉島陸 佐久本宝 広田亮平 藤木志ぃさー ベンガル
沢村一樹 小林薫
原作:坂上泉『渚の螢火』(双葉文庫刊)
監督:平山秀幸
脚本:常盤司郎 倉田健次
音楽:安川午朗
撮影:藤石修 照明:鈴木康介 録音:中里崇
美術:中澤克巳 装飾:小山大次郎
スタイリスト:森本裕治 メイク:東村忠明
スクリプター:川野恵美 編集:洲﨑千恵子
音響効果:大塚智子
助監督:村上秀晃、野本史生 制作担当:宿崎恵造
VFXプロデューサー:進威志
アクションコーディネーター:佐々木修平
キャスティングプロデューサー:山口正志
プロデューサー:高江洲義貴 廣瀬雄
制作プロダクション:東北新社
製作著作:WOWOW
コメント
原作
坂上泉『渚の螢火』(双葉文庫刊)

原作:坂上泉『渚の螢火』(双葉文庫刊)
高橋一生(真栄田太一 役)
オファーがあった際の印象、脚本に関して
本作のお話を頂いたときに、実話ベースの物語でも娯楽作品として作り上げることはできるのではないかと感じました…
高橋一生(真栄田太一 役)
オファーがあった際の印象、脚本に関して
本作のお話を頂いたときに、実話ベースの物語でも娯楽作品として作り上げることはできるのではないかと感じました。僕は、フィクションは徹底してエンタテイメントであるべきだと常々思っているのですが、ただ楽しめるということだけではなく、その物語が深く見ている人にしみ込んでいくということは可能なんじゃないかなと、望みを見出していました。
本作に描かれているのは、忘れてはいけないこと、残していかなければならない歴史的背景だと思います。お芝居を通して、自分自身がこの歴史を学び直すきっかけになりました。
撮影を終えて感じたこと、真栄田のキャラクターに関して
とにかく密度が高い撮影でした。毎⽇時間が溶けていくようだと感じていました。気づいたら、「こんなに撮っていたっけ?」という感じで、とても充実していたと思います。
僕が演じる真栄田は、自分がどこで⽣まれ、自分がどのように社会や風⼟になじんでいくのか、自分はどうあるべきか、とアイデンティティを問い続けているキャラクターです。
撮影を終えて、本作に携わる皆さんが僕の真栄田というキャラクターを形作ってくれたと実感しています。共演者の皆さん、平山監督をはじめ、スタッフの皆さんが僕を真栄田として見てくださってとても助かりました。
そして、真栄田が所属する本⼟復帰特別対策室を語るうえで欠かせない存在が、真栄田と双璧をなす刑事・与那覇です。二人は同い年で、真栄田が八重山諸島出身であるのに対し、与那覇は沖縄本島出身。真栄田も熱いが、彼も熱い男で、二人はぶつかり合います。内燃している器官は一緒だけれど、出力の仕方が違うという差異を上手く出せたと思いますので、是非二人の掛け合いにも注目していただければと思います。
視聴者の皆様へのメッセージ
歴史的背景がわからないという方にもクライムサスペンスとして楽しんでいただくことができる作品だと思います。そして、自分がどこで⽣まれたかによってその人の人⽣が最初から決まってしまいかねないレールが存在している、ということにも着目していただきたいです。それぞれのキャラクターが浮き立ってみえると思います。
僕は、本作に登場するキャラクターに悪人はおらず、社会に捻じ曲げられてしまった人々の物語として捉えています。どの人物もそうなってしまった理由があり、純粋悪ではなく、風⼟、国の背景、出自の違いなどで、こんなにも変わってしまうのかということを本作は問いている。そういった点も感じて頂ければと思います。
青木崇高(与那覇清徳 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
現在からみれば「過去の一つの事件」だとしても、過去からみれば「事件を経て生まれた時点の一つ」が現在となる…
青木崇高(与那覇清徳 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
現在からみれば「過去の一つの事件」だとしても、過去からみれば「事件を経て生まれた時点の一つ」が現在となる。
その視点の差に見落としそうな、「人々の熱い想い」を我々は決して忘れてはならない。
激動の1972年。当時の沖縄に私の祖父はいたそうです。
孫の私が当時の人物を演じる事は、ごく自然なことなのかもしれません。
小林薫(玉城泰栄 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
沖縄の闇の戦後史とも言える作品で、deepなところもありますが、知らなかったところも沢山あって、楽しい仕事でもありました…
小林薫(玉城泰栄 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
沖縄の闇の戦後史とも言える作品で、deepなところもありますが、知らなかったところも沢山あって、楽しい仕事でもありました。久しぶりの沖縄ロケでありましたが、賑やかにリゾート地として発展した沖縄の裏の顔を知ると云う意味でも、是非、ご覧になって頂きたい作品となっています。
沢村一樹(川平朝雄 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
美しい海、温かい人々、ゆっくりと流れる時間…
沢村一樹(川平朝雄 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
美しい海、温かい人々、ゆっくりと流れる時間。
一方で巨大な軍事施設を抱え、今なお戦争の影を色濃く残す沖縄。
1972年の沖縄返還を舞台にしたドラマですが、「昔あった物語」ではなく「今も続く現実」として皆さんが考える一端になる作品になると嬉しいです。
城田優(ジャック・シンスケ・イケザワ 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
ジャック・シンスケ・イケザワは、返還前の沖縄に駐留する、アメリカ陸軍の連邦法執行機関・CID(犯罪捜査司令部)の大尉です…
城田優(ジャック・シンスケ・イケザワ 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
ジャック・シンスケ・イケザワは、返還前の沖縄に駐留する、アメリカ陸軍の連邦法執行機関・CID(犯罪捜査司令部)の大尉です。
そんな彼が、沖縄で次々と起こる不可解な事件に疑問を抱き、琉球警察の真栄田とタッグを組むところから物語が更に動いて行きます。
強い“正義感”を持ちながらも、あらゆる可能性に目を向け、冷静かつ論理的に捜査を進めていく、クレバーで沈着冷静なキャラクターにぜひご注目ください。
そして個人的なことになりますが、この作品で、幼い頃からお世話になってきた平山秀幸監督と、ようやくご一緒できたことが本当に嬉しく、これは僕にとって一生の宝物になりました。 一視聴者としても、この作品を心から楽しみたいと思っています。
清島千楓(新里愛子 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
出身地沖縄が舞台になる映像作品への出演…
清島千楓(新里愛子 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
出身地沖縄が舞台になる映像作品への出演。
それは大きな目標でした。
オーディションを経て、出演が決まった時の胸の高鳴りを今も覚えています。
撮影現場では諸先輩方から多くを学び、私の知らない沖縄があることに気づくことができました。
沖縄が歩んだ歴史と共に、ドラマを楽しんでいただけると嬉しいです。
嘉島陸(宮里武男 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
1972年は沖縄の本土復帰の年。故郷で起きたこの出来事を多くの方に知ってほしく、強い責任感を持って撮影に臨みました…
嘉島陸(宮里武男 役)
視聴者の皆様へのメッセージ
1972年は沖縄の本土復帰の年。故郷で起きたこの出来事を多くの方に知ってほしく、強い責任感を持って撮影に臨みました。生まれた時代に翻弄される人々の姿。僕が演じた宮里武男もその一人です。登場人物によって作品の見え方も変わると思うので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
坂上泉(原作者)
『渚の螢火』の映像化が決まった時のお気持ち
小説家デビュー以来「エラいことになった」の連続ですが、その中でもとびきりの「エラいこっちゃ」です…
坂上泉(原作者)
『渚の螢火』の映像化が決まった時のお気持ち
小説家デビュー以来「エラいことになった」の連続ですが、その中でもとびきりの「エラいこっちゃ」です。半世紀前の米軍占領下の沖縄を、実写映像で再現しようとする猛者がいるとは……。
視聴者の皆様へのメッセージ
戦後80年、沖縄の本土復帰も半世紀以上前になるなか、不条理と怒りと情熱に満ちた時代を知る人は少なくなりました。その時代を生きた方々への敬意を、小説から映像化を通じて、より多くの皆様にお届けできるのであれば、望外の幸せです。