映画

タンジェリン

ＬＡの街に生きるトランスジェンダーたちを、全編スマートフォンによる撮影で活写。Ｓ・ベイカー監督が「ＡＮＯＲＡ　アノーラ」以前の２０１５年に発表した長編第５作。

当時、米インディーズ映画界の新進気鋭だったベイカー監督が、企画のリサーチ中に出会った実際のトランスジェンダーの女性で私生活でも親友同士のK・K・ロドリゲスとM・テイラーを、本作の主役陣に抜擢。LAの下町でセックスワーカーとして生きる2人が周囲と織り成す多彩な人間模様を、アナモレンズを装着した3台のiPhone5sを全編駆使して、いきいきと躍動的に描写。風変わりな題材を斬新な映像感覚で切り取った内容が高く評価され、多くのインディペンデント映画賞に輝き、同監督の出世作となった。