映画

犯罪河岸

フランスのサスペンス映画の巨匠Ｈ＝Ｇ・クルーゾー監督が戦後最初に発表し、第８回ヴェネチア国際映画祭で監督賞に輝いて映画界への復帰を飾ったサスペンスドラマ。

「密告（1943）」で対独協力を疑われ、しばらく沈黙を余儀なくされたものの、ジャン・コクトーらの支援を受けて映画界に復帰したクルーゾー監督が、戦後最初に発表した監督作。単独長編監督第1作の「犯人は21番に住む」などと同様、S・A・ステーマンの推理小説をもとに、単なる謎解きのミステリーにとどまらない重層的なドラマを作り上げ、第8回ヴェネチア国際映画祭でみごと監督賞を受賞した。若い歌手の妻をS・ドレール、彼女の浮気性に悩む夫をB・ブリエ、そして警部をL・ジューヴェがそれぞれ好演。