映画

草の響き

「そこのみにて光輝く」「きみの鳥はうたえる」などで知られる夭折の作家・佐藤泰志の同名小説を、「寝ても覚めても」の東出昌大の主演で映画化した味わい深い秀作ドラマ。

心に失調を来たし、妻と2人、東京から故郷の街・函館へ戻って来た主人公の和雄。医師の勧めでランニング療法を始め、街を走ることで徐々に心の再生を果たしていく彼の姿を、原作者・佐藤の実体験に基づく同名短編小説をもとに映画化。「寝ても覚めても」以来、3年ぶりの映画主演となる東出が、心の底に言い知れぬ孤独と不安を抱えながら、ひたすら街を走り続ける主人公を鬼気迫るタッチで演じるほか、「マイ・ダディ」の奈緒、「明日の食卓」の大東駿介らが好演を披露。監督は「空の瞳とカタツムリ」の斎藤久志。