映画

泣く子はいねぇが

新鋭・佐藤快磨監督が、仲野太賀と吉岡里帆の共演で描く初監督作。なまはげ行事中の失態で妻子と別れ、秋田から東京に出た青年が、２年後、過ちと向き合うため故郷に戻る。

短編「壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ」の佐藤監督が、同作主演の仲野と再度タッグを組んだ長編劇場映画デビュー作。是枝裕和監督が企画で参加した。伝統行事“なまはげ”からテーマを見いだした佐藤監督が脚本を手掛け、仲野が演じるたすくの贖罪の旅という趣で物語は展開する。仲野は行事での失敗をきっかけに一度は秋田を離れるものの、吉岡が演じる元妻ことねや娘と向き合うたすく役を好演。秋田県出身の柳葉敏郎が味のある演技で脇を固め、たすくの心の叫びといえるタイトルの意味が活かされる場面が感動的だ。