映画

影裏

綾野剛と松田龍平がＷ主演したヒューマンミステリー。転勤先の盛岡で唯一心を許せる友人と出会った独身サラリーマンは、突然失踪した友人の別の顔と向き合っていく……。

第157回芥川賞を受賞した沼田真佑の小説を、NHK大河ドラマ「龍馬伝」や「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が映画化。サラリーマン秋一役の綾野、秋一と同い年の同僚・典博役の松田が友情を深め合う回想場面を通し、登場人物2人の“影”と“裏”を浮かび上がらせていく。説明過多にならず、映像ですべてを語ろうとする大友監督の演出が秀逸だ。加えて、秋一と典博が釣りに行く川の水面や自然の風景など、映像の美しさも印象に残る。さらに、短い場面ながら意外な姿で登場する中村倫也にも要注目。