映画

おいしい家族

松本穂香主演のヒューマンコメディ。夫と別居し、仕事も失敗ばかりで生活に疲れた女性は母の三回忌に故郷の島に帰ってくるが、父が母の服を着て生活していることに戸惑う。

“ndjc：若手映画作家育成プロジェクト”で生まれた短編「父の結婚」を、作家でもあるふくだももこ監督自身が長編化。様子が異なる家族に戸惑いながらも、自らの生き方を見付けようとするヒロイン・橙花の心の変化を、演じる松本が繊細に表現した。亡き妻の服を着て生活する父・青治役の板尾創路が俳優としての力量を発揮し、青治の作るさまざまな料理に優しさを込めてみせる。さらに、諏訪敦彦監督作「風の電話」に主演したモトーラ世理奈が、橙花の新たな家族となる女子高校生を印象深く演じたことにも注目だ。