映画

リミット：ゼロ

約９０分の上映時間、ほとんど全編がワンカットから成る、野心的Ｂ級アクション。廃墟マニアである都市探検家のヒロインは、男性の仲間２人と水力発電所の跡地に忍び込む。

オープニングとエンドクレジットの間の80数分、ずっとカメラを回し続けた演出が斬新。映画をフィルムで撮影していた時代では不可能だったが、デジタルカメラの時代になって可能となった“超長回し”が見もので、観客をまるで登場人物のひとりになったような感覚にさせる。そんな試みがやや空回りに終わった部分が無くもないが、スタッフ・キャストの心意気を買おう。舞台が水力発電所の跡地というのが、やはり長回しを売りにした日本映画「カメラを止めるな！」のロケ地が元浄水場だったのと似ているのもユニーク。