映画

日本の仁義

三流紙の記者がつかんだ政財界の醜聞ネタが、めぐりめぐって巨大ヤクザ組織の内部抗争を招くことに。中島貞夫監督がオールスターキャストで重厚に描く東映実録ヤクザ映画。

この年、中島監督が、佐分利信を筆頭に豪華スターをずらりと取りそろえ、ヤクザ同士の抗争を重厚なドラマ仕立てでじっくり描いた大作「やくざ戦争　日本の首領」が大ヒット。以後、同監督が東映実録ヤクザ映画路線の集大成として立て続けに放った「日本の首領」3部作と同様、本作も、とにかく出演者の顔触れが豪華で多彩。「仁義なき戦い」シリーズの菅原文太、千葉真一をはじめ、鶴田浩二や岡田茉莉子、フランキー堺、さらには戦前から活躍する藤田進までが顔をそろえて繰り広げる、息詰まる競演が何よりの見もの。