映画

立ち去った女

無実の罪で長年服役していた女性の復讐の旅をフィリピンの鬼才Ｌ・ディアス監督が全編モノクロでじっくり描き、第７３回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた長編大作。

無実の罪で30年間獄中生活を味わった末にようやく釈放され、事件の真相を初めて知らされたヒロイン。真犯人たる元の恋人と対決すべく、彼女が復讐の旅に出るさまを、近年ベルリンやロカルノなどの国際映画祭で受賞が相次ぎ、世界的に大きな注目を集めるフィリピンの鬼才ディアス監督が、全編モノクロの長回し撮影を駆使してじっくりと描写。約4時間弱の長尺であるが、同監督の作品には他にも、8時間とか11時間近い長編があるというからビックリ。その破格の怪物的スケールを味わうためにも、一見の価値あり。