映画

お父さんと伊藤さん

２０歳年上の彼氏と暮らす娘のところにお父さんが現われ、奇妙な同居生活が始まる……。上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也ら個性派陣が醸す空気感が心地いいコメディ。

劇作家としても活躍する中澤日菜子の、第8回小説現代長編新人賞を受賞した小説を、「ロマンス（2015）」のタナダユキ監督が映画化。彼氏と父親という2人の男性に挟まれ、心が揺れ動く女性・彩を演じる上野、ひょうひょうとしていて彩とお父さんの関係を冷静に見つめる伊藤さんを演じたリリー・フランキー、娘との接し方が分からず、ついキツいことを言ってしまうお父さんを演じた藤。3人の息の合った演技に笑わされ、ジーンとさせられる。三者の関係を適度な距離感で浮かび上がらせたタナダ監督の手腕も光る。