映画

独裁者と小さな孫

政変によって権力の座を追われた某国の老いた独裁者が幼い孫を連れて逃避行の旅を続けるさまを、イランの巨匠Ｍ・マフマルバフ監督が痛切に描いて絶賛を博した政治寓話劇。

政変によって突如、権力の座を追われることになった某国の老独裁者が、事態の深刻さをまだよく理解できない幼い孫を連れて必死の逃避行を続けるうち、自らの圧政により苦しむ人々の窮状を目の当たりにして、苦悩の色を深めていくことに。現在は故国イランを離れ、ヨーロッパで亡命生活を続けているマフマルバフ監督が、痛烈な政治批判の中に、人間性に対する信頼と希望もにじませながら、本作を発表。世界各国の映画祭で高い評価を受け、第72回ヴェネチア国際映画祭で監督自身がロベール・ブレッソン賞を受賞した。