映画

独立機関銃隊未だ射撃中

１９４５年８月、終戦間際の国境を舞台に、孤立無援の中、トーチカ内に立てこもって必死に戦う機関銃小隊の過酷な運命を鮮烈に描いた、佐藤允主演の反戦映画の隠れた名作。

題名や公開時期から「独立愚連隊」シリーズ中の1本と思われがちな本作だが、内容的にはまったくの別物。1945年8月、既に広島、長崎に原爆が落とされ、さらには対日参戦を決めたソ連が侵攻を開始し、終戦が目前に迫る中、自陣を死守せよとの非情な命令を受けた日本軍の満州（現中国東北部）守備隊のわずかな生き残り兵たちが孤立無援で必死に戦うさまを、谷口千吉監督が痛切極まりないタッチで描写。「独立愚連隊」シリーズでは豪快な高笑いが印象的な佐藤允が、本作中ではひとり泣き出すのが何より衝撃的。