映画

千年の愉楽

中上健次の代表作の一つを鬼才・若松孝二監督が豪華多彩な顔ぶれで映画化。映画公開前の２０１２年、不慮の事故により７６歳で急逝した同監督の遺作となった群像ドラマ。

ある高貴で呪われた血統の若者たちが生き急ぐようにして自らの短い生命の炎を燃やすさまを、彼らの誕生に立ち会ったひとりの助産師の目を通して鮮烈に描写。紀州の路地を舞台にした中上健次の代表作の一つである同名連作短編集を、鬼才・若松監督が豪華キャストの競演で映画化。先にやはり中上原作の「軽蔑」にも主演した高良健吾をはじめ、高岡奏輔、染谷将太らが美しき若者たちを好演する一方、彼らの生と死を見つめ続けるオリュウノオバに扮するのは、「キャタピラー」でも若松監督とタッグを組んだ寺島しのぶ。