映画

侵入者

娯楽本位でＢ級映画を量産してきたＲ・コーマン監督が、珍しく社会的なテーマに真っ向から挑み、アメリカ南部における人種差別の問題を鮮烈なタッチで描いた異色の野心作。

娯楽ひとすじのB級映画人生を謳歌してきたコーマンが、たまにはシリアスなテーマに挑もうと（？）芸術的野心を燃やして果敢に世に問い、批評的には高評価を得たものの、興行的には珍しくハズレをとった、例外中の例外たるファン必見の異色作。人種差別の問題がくすぶるアメリカ南部の町に涼しい顔をして乗り込み、扇動的なデマをまき散らして黒人に対する差別と暴力容認の危険思想を吹き込む悪魔的な主人公を、その後「スター・トレック」シリーズの主役で人気スターとなるW・シャトナーが怪演しているのも見もの。