ドラマ

ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女

２００８年米大統領戦を描く。国民をとりこにしたオバマを打倒すべく、対抗馬のマケインは、無名のサラ・ペイリンを起用する。ジュリアン・ムーアがペイリンを熱演。

2012年9月23日（現地時間）に発表された第64回エミー賞で計12ノミネートを獲得し、ミニ・シリーズ／TVムービー作品賞、主演女優賞など5部門に輝いた秀作。オバマが合衆国史上初のアフリカ系大統領になった2008年の米大統領選だが、同選挙を取材した2人のジャーナリスト、J・ハイルマンとM・ハルペリンの共著「大統領オバマは、こうしてつくられた」（訳：日暮雅通／朝日新聞出版）を全米HBOチャンネルが映像化し、今年3月に全米オンエア。俳優トム・ハンクスが製作総指揮のひとりを務め、ペイリン役のJ・ムーア、実在の選挙アドバイザー、スティーヴ・シュミット役のW・ハレルソン、マケイン役のE・ハリスら実力派が競演し、「オースティン・パワーズ」シリーズのJ・ローチが監督した豪華編。副大統領候補に大抜擢されながら、よくも悪くも“女帝”キャラが注目を浴び過ぎたペイリンを通じ、米国の政界をシニカル＆ユーモラスに掘り下げた。

＜ストーリー＞
2007年、アメリカ共和党はマケイン上院議員を次期大統領候補のひとりに選ぶが、翌年、ライバルである民主党が史上初のアフリカ系大統領を目指すオバマを候補に選出したことから、共和党陣営は強力な副大統領候補が必要だと考えるように。そこで合衆国史上初の女性副大統領になるかもしれないアラスカ州の女性知事ペイリンに白羽の矢が立ち、彼女は同党の大統領候補となったマケインと共に副大統領候補となり、全米各地に飛んで選挙活動を開始する。しかし、マケイン以上に保守的な思想の持ち主であることを民主党陣営から揶揄されたり攻撃されるようになって、いつしか彼女とマケインや、周囲の共和党員との間には軋轢が生まれていって……。