映画

完全な遊戯

暇を持て余したニヒルな不良学生たちが無軌道な青春を暴走するさまを、当時はまだ人気が沸騰する以前の若き小林旭の主演で鮮烈に描いた、石原慎太郎原作の衝撃の青春映画。

本作は、芥川賞を受賞した「太陽の季節」を皮切りに、やはり石原慎太郎の小説を原作に仰ぐ「狂った果実」などが相次いで映画化され、当時社会的にも大きな論議を呼んでいた「太陽族映画」のうちの1本。暇を持て余していた不良学生たちが、競輪場のノミ屋を相手にひと儲けする犯罪計画を立案・実行し、さらには金を払えない相手の借金のカタにその妹を拉致・強姦して死に至らしめるという内容は、今なおかなり衝撃的。当時新進の脚本家・白坂依志夫が脚色を担当、舛田利雄監督のクールで冴えた演出も見もの。