映画

アラブの嵐

パリを目指す石原裕次郎扮する御曹司の主人公が、中近東の地でアラブの民族独立闘争に巻き込まれながら奮闘する様子を、荒唐無稽なタッチで綴ったアクションコメディ。

日活が、パンアメリカン航空の協力のもと、中近東の地で海外ロケを敢行。エジプトのピラミッドやスフィンクスなど、おなじみの観光風景をバックに、裕次郎扮する主人公が、ひょんなことからアラブの民族独立闘争に巻き込まれてとんだドタバタ騒動を展開するさまを、日活きってのモダニストたる中平康監督が破天荒なユーモアを交えて愉快に綴る。裕次郎が海外に出ても頑固に日本語一本槍で通す一方、アラブ系の俳優陣がなぜかみな吹き替えで日本語を話すあたりは、まさに荒唐無稽な無国籍アクションならでは。