映画

午後の曳航

海外でも愛読される三島由紀夫の人気同名小説を、物語の舞台を横浜から英国の港町に移し、オール外国人のスタッフ＆キャストで映画化した鮮烈な心理サスペンス・ドラマ。

13歳の少年とその母親の前に、ひとりの魅力的な船乗りが出現。海と船をこよなく愛する少年が、海の男をまさに体現する彼に憧れを抱く一方、未亡人である少年の母親も深く彼を愛するようになったことから、3人各自の間に生じる鋭い心理的葛藤を、脚本家出身のL・J・カリーノ監督が、三島文学ならではのエロスとタナトスの相克という主題を際立たせながら鮮烈に描写。「ライアンの娘」のS・マイルズが、少年の母親に扮して大胆な演技を披露。少年がのぞき見る彼女の自慰シーンは、公開時、大きな話題を呼んだ。