映画

偉大なるX

乱れたこの世の中を立て直し、理想の社会を築く偉大なる英雄Ｘよ、いざ出でよ！　戦後日本の混乱期を舞台に、かくなる英雄待望論の気になる行く末を見つめた風刺社会劇。

戦後まだ間もない、復興途上にある日本。秩序が乱れて世相の混乱が続くなか、とある男が、いつかきっと偉大なる英雄Xがこの世に現われ、世の中の不正や乱れをただしてくれるに違いない、との理想論を唱えたことから、思いがけない騒ぎに発展。しょせん、ただの空論だ、いや、きっと英雄Xは現われる！　とかんかんがくがくの論議が巻き起こって世論が二分されていく様子を、新藤兼人の脚本で社会風刺を盛り込みながら愉快に描く。監督は、その後「君の名は」3部作で大ヒットを飛ばす大庭秀雄。主演は「晩春」の宇佐美淳。