ドキュメンタリー

ノンフィクションW 次なる“強さ”を求めて〜女子プロゴルファー申ジエ〜

2010年、韓国人初の女子プロゴルフ世界ランク1位に輝いた申ジエ。彼女が求める次なる「強さ」とは！？　悲しみを乗り越え、挑戦し続ける23歳の素顔に迫る。

　近年の女子プロゴルフ界を、韓国人プレーヤーたちが席巻している。日本国内ツアーでもその傾向は顕著で、2010年シーズン全34戦のうち、実に15戦を韓国人プレーヤーが優勝したことにも表われている。日本のゴルフファンであれば「また韓国勢か…」と嘆いた人も少なくないはず。
　その韓国勢の筆頭にいるのが、デビュー5年にして韓国人として初めて世界ランク1位になった23歳のプレーヤー、申ジエである。申につけられたニックネームは“ファイナル・ラウンド・クイーン”。集中力や精神力が鍵となるゴルフという競技において、彼女の真の強さは大会最終日に表われるのだ。孤独な闘いを続けなければならない選手を襲う緊張感を力に変え、数々の逆転劇を演じてきた申。同世代の選手の中でも突出した結果を出している一方で、彼女の周辺の選手や関係者たちの口からは、彼女のことを悪く言う声は一切聞こえないという。
　一見、アスリートとしての圧倒的優位性を持ち合わせているように映らない彼女の強さの秘訣は、いったいどこにあるのだろうか。番組では、申ジエが今に辿りつくまでに経験した壮絶な過去やターニングポイントを探りながら、彼女の強さの根源に迫る。決して裕福ではなかった幼少期、韓国ゴルフの育成環境の変化、家族を突然襲った悲劇、そして世界の頂点へ―。本人への密着取材や関係者の証言などを通し、「また韓国勢か…」と嘆いたことのある人は彼女の意外な素顔を目にすることになる。さらにその先には、「尊敬される人間になりたい」「愛を分けたい」と屈託のない笑顔で語る申ジエの“本当の姿”が見えてくるに違いない。
　ディフェンディングチャンピオンとして臨む「LPGA女子ゴルフツアー エビアンマスターズ」開幕直前に贈る申ジエ日本初の本格的なドキュメンタリー。