映画

白昼の幻想

Ｂ級映画の帝王Ｒ・コーマンが、当時若者たちの話題の的となっていたドラッグ文化に着目。ドラッグがもたらすトリップをサイケな映像表現で描き、物議を醸した問題作。

コーマン作品「ワイルド・エンジェル」に続いてP・フォンダが主演し、共演にD・ホッパー、脚本にJ・ニコルソンと、その後「イージー・ライダー」を作り上げるトリオが集結。当時、若者のカウンター・カルチャーにシンクロしていたコーマン監督が、自由奔放なイメージ、極彩色でサイケ調の照明やペインティング、はたまた強烈なロック音楽をあえてごちゃ混ぜにミックスし、観客に幻覚的感覚を体感させる斬新な映像表現を生み出した。とはいえ、主人公がバッドトリップに陥るくだりは、ドラッグの恐ろしさを物語る。