映画

女優須磨子の恋

監督・溝口健二×主演・田中絹代の名コンビが、日本の新劇運動の興隆に大きな役割を果たした指導者・島村抱月と女優・松井須磨子の悲恋を切なく情熱的に描いたメロドラマ。

第2次大戦後、GHQの主導のもと、溝口健二監督が女優・田中絹代とコンビを組み、民主主義と女性解放をテーマに掲げて作り上げた、いわゆる“女性解放映画3部作”のうちの1本。同年、やはり島村抱月と松井須磨子の恋愛関係を描いた、衣笠貞之助監督×山田五十鈴主演の映画、「女優」の企画が東宝で先行するなか、それを後追いする形で本作も作られ、結果的にはこちらの方が先に封切られて、興行的にも「女優」よりヒットした。