映画

あこがれ

年上の女性に憧れる５人のわんぱく少年の行動をみずみずしいタッチで描写。ヌーヴェル・ヴァーグの出発点のひとつとなった若き日のＦ・トリュフォー監督による珠玉の短編。

当時、若き映画批評家としてフランス映画の偽りの“良質の伝統”を鋭く批判する一方で、「明日の映画は私小説や自伝よりもいっそう個人的なものになるにちがいない。告白のようなもの、あるいは日記のようなものに」と述べていたトリュフォーが、そのマニフェストを自ら実践すべく、短編監督作として本作を発表。ベルギーのブリュッセル映画祭で監督賞を受賞するなど一躍好評を博し、あの鮮烈な長編処女作「大人は判ってくれない」に先立って、ヌーヴェル・ヴァーグの始まりを告げる重要な出発点のひとつとなった。