映画

俺たちに明日はないッス

常日頃Ｈをしたがって悶々としている、童貞の高校生たちの悩める“性”春の日々……。「百万円と苦虫女」の女性監督タナダユキが、赤裸々かつほろ苦いタッチで綴った秀作。

「神童」「コドモのコドモ」と、映画化が相次いだ人気漫画家、さそうあきらの同名短編連作コミックを、今回は注目の女性監督タナダユキ（「ふがいない僕は空を見た」）が映画化に挑戦。明日への夢も希望もなく、ただただ無性にセックスをしてみたい気持ちだけを抱えて無為な時間を過ごすという、いつの時代も変わらない十代の若者たち。そんな、ある意味普遍的な“性”春の悩みを、時にユーモラスに、時にほろ苦く描きだし、笑いと涙や共感を誘う佳作だ。柄本時生をはじめ、若手俳優陣の好演も見もの。