映画

神々の深き欲望

今村昌平監督が三國連太郎を主演に迎え、自身のテーマ、日本人固有の生と性の根源を深く掘り下げて追求した集大成的傑作。人々が土俗的な原始信仰に生きる南の孤島を描く。

鬼才・今村監督が、1962年に作・演出を手掛けた舞台劇「パラジ・神々と豚々」を、より発展させて映画化すべく、沖縄の南大東島などで2年間もの長期ロケを敢行。土俗的な原始信仰が息づく南の孤島に、近代化の開発の波が押し寄せてきたことから、島人たちの共同体意識に亀裂が生じていくさまを、雄大なスケールでダイナミックに描き、今村映画の集大成的傑作と一躍絶賛を浴びた。今村監督にとって初のカラー作品でもある。三國、沖山秀子ら、異色個性派たちの熱演も見ものだ。キネマ旬報ベスト・テン第1位。