映画

青春デンデケデケデケ

大林宣彦監督が直木賞に輝いた芦原すなおの同名小説を映画化。１９６０年代の四国の小さな町で、ロックバンドを作ろうと情熱を燃やす高校生たちを描いた青春ドラマの秀作。

ザ・ベンチャーズに憧れる高校生たちが、ロックバンドを作ろうと大奮戦。第105回直木賞に輝いた芦原の小説を、大林監督が軽妙なタッチで映画化。これといった取り柄もない少年が、ロックバンドを通じて高校最後の夏を悔いの無いものにしようとする姿が実に胸を熱くさせる。主人公に扮した林泰文は“尾道三部作”の尾美としのりと並んで、監督が自己を投影させるという大林作品の常連俳優。本作でもバンド仲間役の浅野忠信らを相手にみずみずしい好演を見せた。数々の1960年代サウンドも懐かしい快作となった。