映画

けんかえれじい

２０１７年２月１３日に逝去した鈴木清順監督の代表作の１本。高橋英樹扮する、岡山の旧制中学に通う硬派の学生が喧嘩に明け暮れる日々をエネルギッシュに描いた青春映画。

硬派を気取って喧嘩に明け暮れる毎日を送る一方、下宿屋の娘にひそかな恋心を寄せる、昭和のバンカラ学生、南部麒六。そんな彼の波乱万丈の青春の日々を異才・鈴木監督が、同様の題材を描いたかつての「悪太郎」とは対照的に、彼ならではの素っ頓狂な表現スタイルを駆使して活き活きと活写。当時まだ22歳だった高橋が主人公の青年を好演したほか、彼が思いを寄せるヒロインを可憐に演じるのは、その後、大橋巨泉夫人となった浅野順子。映画好きの間では“清順ワールド”の入門編に適しているという声もある。