映画

ビッグ・トラブル

米インディーズ映画の父、Ｊ・カサヴェテス監督が晩年、職人として手がけ、そのまま遺作となった犯罪コメディ。平凡な保険外交員が人妻と共謀し、彼女の夫を殺そうと……？

フィルム・ノワールの名作「深夜の告白」を下敷きに、保険金殺人計画が思いがけないトラブルを巻き起こしていく様子を、コミカルなタッチで描写。カサヴェテス監督は編集権などをめぐって製作会社と激しく対立し、本作を自作と認めるのを拒んだというが、抱腹絶倒のおかしさは一見の価値があるレベルであり、映画ファンは楽しめる。脚本は、アンドリュー・バーグマンがウォーレン・ボーグルという別名でクレジット。出演は、カサヴェテス監督の親友でもあったTV「刑事コロンボ」の名優P・フォークほか。